ロシアがイランから「軍事ドローン」を大量購入!両国が急接近する理由とは

 ロシアのペスコフ大統領報道官は12日、プーチン大統領が19日にイランの首都テヘランを訪問、ライシ大統領、トルコのエルドアン大統領と会談を行うと明らかにした。

 それに先駆け、米ホワイトハウスは11日、イランがロシアに対して武器搭載が可能な「数百機」などの無人航空機(ドローン)を提供する準備をしているとの見解を示した。

「11日の会見でジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、『この情報は、バイデン米大統領が中東歴訪を目前に控えたタイミングで入ってきたもの』として、イランによる支援の背景には、ロシアがウクライナとの戦闘において『自分たちの武器を失っていることの表れ』とつけ加えています。ペスコフ露報道官はこの問題について、『この件についてはコメントしない』と述べるに留まっていますが、仮にこれが事実であれば、かなり切羽詰まっている状況であることは間違いない。いずれにしろ、19日のプーチン‐ライシ会談の行方が気になるところです」(ロシア情勢に詳しいジャーナリスト)

 6月23日付イスラム共和国通信によれば、ロシアのラブロフ外相は同月22日、イランのアブドゥラヒヤーン外相の招待を受け、イランを訪問。その際も、ライシ大統領と会談したと報じられているが、

「この会談で、ラブロフ外相から両国の経済協力に関する報告を受けたライシ大統領は、ロシアのウクライナ侵攻に対して、『われわれは戦争に反対し、この争いを継続させたり、激化させたりするいかなる措置にも反対する』としているものの、イランとロシアが『両国の協力を強化することが、独立国に対する米国の制裁と、米国の経済的一国主義に対抗する効果的な方法』として、対アメリカで協力強化する方向が示されたと語っています。もともとイランとロシアは、反米という点で利害が一致していますからね。今後さらに両国の関係が深くなる可能性は十分考えられるでしょう」(同)

 思い起こせばロシアとイランは、シリア紛争でアサド大統領を支持。イスラム過激派や、アメリカが支援する反政府勢力と戦いを繰り広げてきた経緯がある。今後も、戦術的パートナー関係として、イランからロシアへの武器弾薬の輸出が続く可能性もあり、欧米では懸念が広がっているという。

 両国の今後を占う、重要な首脳会談が迫っている。

(灯倫太郎)

ライフ