今季2度目の会見拒否、熱血漢の巨人・阿部監督が原辰徳前監督に諭されていた“選手との接し方”

 巨人の阿部慎之助監督が、またも試合後の会見を拒否した。DeNA戦(9月8日・東京ドーム)で5カ月ぶりの先発となったメンデスが1回持たず4失点(自責は2)、打線も無抵抗のまま0-8と惨敗。とても優勝争いをするチームの野球ではなかった。

「この試合は巨人にとってローテーションの谷間。本来であればここまで日曜日に先発してきた菅野智之でしたが、阿部監督は10日から始まる広島との3連戦(マツダ)の頭に投げさせる予定で、6人目の先発投手がいないんです。今季の巨人のウィークポイントの一つです」(夕刊紙記者)

 試合後、阿部監督に代わりに対応した二岡智宏ヘッドコーチは「(阿部)監督が若い選手を使いたいと言ったんで、そこは思い切っていきました」とコメントしたが、売り出し中の浅野翔吾は早くも息切れ気味、3カ月ぶりのスタメンとなった秋広優人は9回に失点につながる失策を犯し裏の攻撃で代打を送られた。

「前日のサヨナラ勝ちからの惨憺たる内容だけに、“無言の喝”と言えば聞こえはいいですが、惨敗の要因の一つは阿部采配の空回りです。しかも会見拒否は今季2度目で、選手へのメッセージと捉えたとしても、何度もやれば効果は薄くなる。単にブチ切れたのかもしれませんね」(夕刊紙記者)

 そもそも阿部監督の熱血漢ぶりは現役時代から有名。2012年の日本シリーズ第2戦(対日本ハム)ではサインを見落とした澤村拓一投手をマウンド上で鬼の形相で激怒し、頭をポカリと叩いた。2軍監督時代の20年3月にはプロ・アマ交流戦(対早大)に敗れたチーム全員に罰走を課し物議を醸している。

「こうした熱い指導は良い方向に出る時もあれば、悪い方に出る時ももちろんあります。ただ、阿部監督が原辰徳前監督に『お前さんは、(選手に)言いたいことがあるなら一度飲み込みなさない』と諭されていた話は、巨人担当記者なら誰でも知っている。感情を出し過ぎると、今の若い選手は委縮するばかりですからね」(前出・夕刊地記者)

 熾烈な優勝争いの中、就任1年目とはいえ「監督力」が問われるときがやってきた。

(小田龍司)

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