家族のETCカードを使ったら有罪!大阪地裁の「仰天判決」に全国のドライバーがビビった

 2001年に導入され、今や高速道路の料金所には欠かせない存在となっているETC。国土交通省によると、24年6月時点での1日あたりのETC利用台数は811万台、利用率は95%で、今や現金払いは完全に少数派だ。

 家族間で車を共有、貸し借りすることは珍しくないが、運転のたびにETC用のクレジットカードをそれぞれの名義のものに交換する人は多くないだろう。しかし、大阪地裁では今年5月、これに関して気になる判決が下されている。

 この裁判では、同居する60代の兄弟の兄が、弟名義のETCカードを使って大阪市内の高速道路を2回走行。計1400円の割引を不正に受けたとして電子計算機使用詐欺の罪で懲役10カ月の実刑、貸した側の弟も懲役10カ月執行猶予3年の判決を受けたのだ。

「兄が暴力団関係者だったことから別件逮捕・起訴だったとも言われていますが、だとしても、この罪状で司法が有罪とした意味はあまりに重い。法的には家族でもETCカードの貸し借りは認めないと判断したからです」(大手紙記者)

 もちろん、警察がこの判例を受けて大規模な取り締まりに乗り出すという話は、今ところないようだ。それでも反社会勢力と関係のない一般人であっても、当局さえその気になれば逮捕は可能ということになる。

「常にカードの名義人が同乗するか、自分名義のETCカードをその都度、入れ替えれば問題ないですが、この条件に合致する状況は多くはないでしょう。ただ、一部のクレジットカードは家族カードに付帯する形でETCカードを発行するため、これなら罪に問われる心配はありません」(前出・記者)

 8月23日配信の「プレジデント・オンライン」でも、「このままでは『一億総前科者』になる…」との見出しで、この問題について言及している。そこには、判決の論拠があまりにも社会一般のETCカードの使用とかけ離れているとする専門家の意見もあった。

 確かに、まさかETCカード1枚で前科者になるとは考えたくもないが…。

(ケン高田)

ライフ