今年に入ってアジア各国で相次いで改正された飛行機の機内におけるモバイルバッテリーの取り扱いルール。機内での使用だけでなく座席上の荷物棚に入れるのも禁止となり、ジッパー付きのビニール袋、または端子を絶縁体テープで覆うことが義務付けられている。
日本ではこうしたルールが設けられていなかったが、国土交通省の通達により7月8日からは厳格化。荷物棚への収納はできなくなり、座席ポケットや手元など常に見える場所に置いておくように改められた。
「ただし、いずれもあくまで協力要請という形に過ぎません」(旅行誌編集者)
これに対し、預け荷物に入れることは以前から禁止されているが、こちらは航空法第86条に基づく義務となっている。
「他にもあまり知られていませんが、春先から各国が厳しくチェックするようになったバッテリーを収納袋に入れる、または端子を絶縁テープで覆うのも同法で定められた以前から存在するルールのひとつ。今後は日本でも細かくチェックされるかもしれません」(同)
さらにバッテリーの容量に関しても160Wh超のものは以前から持ち込みが禁止されており、100Wh以上160Wh以下のものでも2個までと決められているが、こちらに関しても認知度は決して高くない。
「いずれも機内での発火トラブルの予防、万が一発生した場合でも被害を最小限に抑えるためです。中国では今年に入ってから航空機内でのバッテリー火災は少なくとも15件発生。いずれも大きな被害は出ていませんが、荷物棚に収納してしまうと発見が遅れ、消化にも時間を要しますし、有毒ガスが発生する恐れもあります」(同)
厳しくなって窮屈に感じる人もいるかもしれないが、飛行中の安全を考えれば仕方のないことだと。大事故になってからでは遅いのだ。
※写真は、国土交通省発表の「モバイルバッテリーを収納棚に入れないで!」リリースより