帰省ラッシュが始まった2日の夕方に羽田空港で起きたJAL機と海上保安庁機の着陸衝突炎上事故。これにより、事故が発生した滑走路は5日現在も閉鎖されたままで、再開時期については国土交通省も「現時点では分からない」とコメントしており、長期化は必至だ。
2日は事故後に発着予定だった全便が欠航となり、3日は200便以上、4日も400便以上、5日も200便以上がそれぞれ欠航となった。少なくとも13万人以上に影響が出て、搭乗便の変更を余儀なくされた人も続出。しかし、こうした状況のため、手配できたのは3連休の6~8日やそれ以降という人も。その結果、多くの企業が仕事始めだった4日や5日に出勤できないという人が大勢出たが、一方では開き直って予定外の休みを楽しむ人も少なくない。
特に北海道から東京への便は代替交通手段が限られ、2日夜の時点で各航空会社ともに連休明けの9日午前中の便までほぼ満席。5日が仕事初日だった都内のメーカーに勤める30代のSさんも3日朝の便で帰省予定だったが欠航となり、新たに確保できたのは8日。結果的に年末年始は当初の5連休から10連休となった。
「こんな状況なので普段は口うるさい上司も『仕方ないな』って。臨時便で戻れないことはないですが、どうせ4日と5日は大した仕事もありませんから。この際、欠航に便乗して 延長された冬休みを満喫します」(Sさん)
一方、家族でスキー旅行に来ていた40代のKさんも仕事始めは4日。東京に戻るために2日夜に新千歳空港に着いた直後に事故のことを知った。
「私も代わりの便が確保できたのは7日。速攻で札幌のホテルを確保したため、残りの期間も観光とスキーを楽しむ予定です」(Kさん)
北海道の場合、JRが臨時の新幹線を運行したがそれだけでは到底足りず、そもそも道内各地からだと在来線との乗り継ぎで移動時間が長時間になって敬遠する人が多い。また、沖縄などの離島に至っては飛行機の一択となり、欠航になった時点で諦めモードになってしまったようだ。
「物理的に間に合わない以上、会社としても容認せざるを得ませんし、社内には同じ状況の社員もいたはず。そういった思いもあり、いい意味で開き直ることができたのでしょう」(ビジネス誌編集者)
欠航をポジティブに変換した人は案外多いのかもしれない。