高速道路外でも使える「ETCX」スタート、 ”時代遅れ”批判を覆す重要課題とは

 ETCを使い、高速道路以外の施設でも支払いが可能な新キャッシュレスサービス「ETCX」が4月末よりスタートしたが、ネット上では《時代遅れ》といった厳しい意見が数多く寄せられている。

「『ETCX』は車に乗ったまま様々な場面での支払いが可能な非接触のキャッシュレス決済です。4月29日から受付が開始され、会員登録を済ませ使用中のETCカードと決済手段を紐付ければ、追加料金なしで利用することができます。現在は新名神高速道路の鈴鹿PA(上り)にある『ピットストップSUZUKA』のドライブスルー店舗にて限定的に利用可能となっていますが、ETCソリューションズの中村英彦社長は、今後3年以内に100ヶ所以上の加盟店を目指すとのことです」(社会部記者)

 しかし、この新サービスに対しネット上では《世の中を見ていない、典型的な国の無駄金使い規格。UWBがスマホに展開されつつある現状では、出た瞬間に既に化石規格になっているという》《時代遅れなガラパゴス技術。日本はもう世界から取り残されている》《IBAはサービス終了で失敗したし、二の舞になりそう》《天下りの天下りによる天下りのためのくだらない試み》など多くの厳しい批判が寄せられていた。

「指摘にあるように、以前にもETCを利用したIBAというキャッシュレス決済がありましたが、2019年にすでにサービスを終了しています。ただ、当初IBAを利用するためには会費や専用車載器が必要だったため利用者が増えなかった背景がありますし、UWBという車などで利用できる超広帯域無線通信は実用的になるのはまだ先の話。その点、今や高速道路でのETC利用率は93%とほとんどの車に搭載されていますから、追加の機材や会費なども不要で始められるという点では『ETCX』はキャッシュレス決済に疎い高齢の方でも気軽に利用できるサービスなのではないかと思います。コロナの影響でドライブスルーを採用する飲食店も増えていることから、加盟店を増やすことができれば便利に使えるようになるかもしれません」(ITジャーナリスト)

 問題は、対応店がどこまで増えるかだ。

(小林洋三)

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