ETC「不正通過」600回男の仰天手口「カルガモ走法」とは?

「阪神高速のETCは、車間距離がない状態で2台の車が通過しようとした場合、バーへの衝突事故防止のため、開いたままになりますが、被告はこの仕組みを逆手に取って犯行を重ねていました。極めて悪質と判断されても仕方がないでしょう」(全国紙社会部記者)

 6月16日、神戸地裁で阪神高速の料金所においてETCレーンを不正にすり抜けるなどしたとして、道路整備特別措置法違反などに問われていた男性被告(34)に、懲役3年、罰金30万円(求刑・懲役4年、罰金30万円)が言い渡された。

 前出の社会部記者が語る。

「被告は2018年から約2年間にわたり、前を走る車にぴったりと追走してETCの開閉バーが下りる前に通過する『カルガモ走法』と呼ばれる手口で、不正通行を600回以上繰り返していたとされています。不正通行は道路整備特別措置法違反となり、1回あたり最高30万円の罰金。罰金は併科できるので、たとえば100回の不正通行で有罪となれば、総額は単純計算で3000万円になる。ま、それはないにしろ、600回以上となれば極めて悪質ですし、そのうち何回分が立件、起訴されているが注目されていました。結果、立件されたのが3件ということで、今回の判決となったわけですが、不正通行とはいえ、前を走る車が突然減速した場合、追突しても不思議はない、文字通りの危険運転ですからね。そう考えると懲役3年、罰金30万円という判決は、大甘と言われても仕方がないでしょうね」

 阪神高速には、入口にだけ料金所を設け、出口には設けられていないという場所が少なくないため、以前から悪質ドライバーによる不正通行が頻発。そんな事態を受け、同社では料金所のレーンに「不正通行監視システム」を導入していたが、実は被告も度々この監視システムに捉えられていたという。

「阪神高速では被告の車の特徴とナンバーをもとに、車検業務を担う軽自動車検査協会に男の住所を照会。18年11月には、被告宛てに料金の未払いを通知する文書を送付したようですが、被告はその通知を無視、不正通行を繰り返していたとされます。そして、9通目の文書送付後には、職員が直接被告の自宅を訪問。ただ、住んでいるかどうかすら確認できなかったことから、今年1月、兵庫県警に被害を相談。結果、2月に逮捕となったわけです。県警の調べに対し被告は、『料金を払いたくなかった』と供述していますが、料金を支払いたくなければ一般道を通ればいいだけの話。このあまりにも身勝手な言い訳には呆れるばかりです」(前出の記者)

 ニュースを受け、SNS上では《ナンバーが確認できた時点で警察に通報すれば、こんな手間暇掛ける必要なかったのに》《あまりにも悪質かつ身勝手な犯行!まずは罰金の上限を上げるべきだ》《これはマジで危険運転の事案でしょ?判決、甘いんじゃない?》といったコメントで溢れた。前出の記者が続ける。

「ヨーロッパなどでは、反則金が未納だった場合、保険の更新や車両登録、免許証更新が出来なくなる、という国もあります。その点、日本はまだまだ性善説に立っているところがあり、それが悪質ドライバーをのさばらせる要因になっています。日本でも各省庁、機関が連携して未納金はきちんと徴収する。そして、危険運転は絶対に許さないという姿勢を示すべき。それが、悪質ドライバー撲滅の最善の方法だと思いますね」

 一歩間違えば、凶器となるクルマ。身勝手な行動が命に危険につながることを忘れてはならない。

(灯倫太郎)

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