高速道路「有料ブース廃止」「完全ETC化」が招く大渋滞のリスク

 国土交通省は7月2日に開催された「第38回国土幹線道路部会」で、新型コロナ対策として高速道路での現金の受け渡しをする有人ブースを廃止、完全ETC化を進める方針を発表したが、これにネット上では議論が巻き起こっている。

「高速道路の運営会社では7月2日時点まででコロナ感染者が35名出ており、そのうち11名が不特定多数の利用者と接触があった料金所や休憩施設で働くスタッフだったこと、また現在ETCの利用率が約93%と高い水準にあることから、料金所の完全ETC化が検討されることになったとみられています」(週刊誌記者)

 ただ、料金所の完全ETC化を実施するためにはクレジットカード会社発行のETCカードが必携となり、ETCカードを読み取るための車載器も必要となってくるため、ネット上では《クレカを持っていない人は高速利用するなってこと?》《理由があってカード発行できない人もいると思うけど》などの意見も多い。こうした疑問に赤羽一嘉国土交通大臣は、「クレジットカードの非保持者への対応についても必要な対応等を検討していただくように進めていきたい」と説明しているが…。

「ETCカードや車載器については助成金が導入されたり、デポジットを利用してETCパーソナルカードを発行したりと対策を取ることができるので問題ないとは思います。それより心配なのが、普段高速道路を利用しないドライバーが車載器にETCカードを挿し忘れていたり、デポジットの残高不足が発生したりと、ETCレーンを通過できず、大渋滞を起こす事例が増えそうなことです」(社会部記者)

 様々な事態を想定して、トラブルのないようにしていただきたいものだ。

(鈴木十朗)

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