1988年ソウル五輪銅メダリストで、現在、国際オリンピック委員会(IOC)マーケティング委員を務めている田中ウルヴェ京さんが8月6日放送のTBS系「news23」に出演。選手から不満の声が出ているパリ五輪の選手村の食事について「ご飯を楽しむために行っているわけではない」と発言し、SNS上で批判を浴びている。
開催中のパリ五輪は環境に優しい五輪をうたっている。そのため温室効果ガスの排出量を半分以下に抑えることを目標にさまざまな取り組みが行われているが、選手たちからは不満の声が続出。
「選手村の部屋にはエアコンがなく、床下に冷たい地下水を流して室温を下げる仕組みになっていますが、選手たちからは暑いと不評。食事に関しても植物由来の食品や野菜、地元食材などを多く使用していますが、肉や卵といった動物性タンパク質の不足を訴える選手が多いようです」(スポーツ紙記者)
悪評高まる選手村の食事について聞かれた田中さんは「食堂に不満が出ない大会ってあったかなっていう」と言い、「もちろん良いことに越したことはないんですけれど、元選手の立場で考えると、最悪の事態は想定するわけで。大会によってあんまりおいしくないなとか、食堂の場所が遠いななんていう時は、日本オリンピック委員会だったり自分たちのチームで、いろんな食料を持っていくわけですから」と説明。さらに「その点では、ご飯を楽しむために行っているわけではないので、っていうのが、選手の立場ではある」と私見を述べた。
この発言を受けSNS上では「楽しみたいではなくコンディションが崩れるから話題になっているのもわからないのか」「高パフォーマンス出すのに食事と睡眠は大事だと言われるが?」「アスリートファーストの考えは持たない人に感じた」など、厳しい声が集まった。
「中には『自国で食材や料理人を用意すればいい』との意見もありますが、そうなると裕福でない国の選手は我慢するしかなくなるのが問題になってきます」(前出・スポーツ紙記者)
選手村の食事については、つい先日、競泳男子100メートル平泳ぎ銀メダリストのアダム・ピーティ選手が英メディアに「私は魚が好きだが、魚の中に虫がいるのを見つけた人もいる」と暴露し、波紋を呼んだばかり。今後の五輪についても、食事面のありかたが課題となりそうだ。
(鈴木十朗)