ウクライナ戦争が「パリ五輪」に飛び火…ロシアが70カ国参加の「裏オリンピック」を開催する

 IOC(国際オリンピック委員会)は3月19日、今夏に控えたパリ五輪で、ロシアとベラルーシの選手は、開会式で出場国の選手としての行進はさせられないとの決定を公表した。

「両国選手は『個人的中立選手(AIN)』という枠での大会参加という位置付けなので、国の代表としての行進には参加させられないということですね。しかし、ロシアのオリンピック委員会はIOCのこの方針を『差別』として抗議。一方、ウクライナは、AIN選手の参加そのものを批判するなど、政治的対立が強まっています」(外報部記者)

 ちなみに、両国の選手は、東京五輪でロシアが330人、ベラルーシが104人だったのに対し、パリ五輪ではそれぞれ30人、20人程度になると見られている。選手の人数が大きく縮小した理由には、既に両国選手が国際的なスポーツ大会で締め出されている、ということもあるが、ロシアが西側諸国の論理で運営される五輪の「骨抜き」を図っているからだとも見られている。

「ロシアは昨年5月に『ワールド・フレンドシップ・ゲームズ』なる、疑似オリンピック大会を2024年に開催すると発表しました。同大会は、旧ソ連が参加をボイコットした1984年のロス五輪の裏大会として初めて開催されたものです。現状では70カ国、8000人近くが参加すると見られています」(前出・記者)

 パリ五輪開催国のフランスのマクロン大統領は、かねてよりEU独自の「EU軍」なるものの必要性を強調しており、2月には、ウクライナ戦争へのEU軍の派兵を言及した。対するプーチン大統領は、今後予想されるNATO(北大西洋条約機構)との軋轢について問われた際、「現代世界では何でもあり得る」として、戦争拡大の可能性をほのめかすなど、緊張は解けないままだ。

 こうした政治的な対立を背景にして、スポーツの世界でも東西の分断がいよいよ顕著になってきているようだ。

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