株価乱高下の今こそチャンス!「高配当・優待高利回り株」20(上)大統領選にも絡む超優良株

 何かと話題の日経平均株価。8月2日には、87年の「ブラックマンデー」以来となる、2216円という急落を見せた。このカオス状態に、我々が取るべき投資術とは─。

 仮に株をやっていたとしても、専門職のように短期間で売り買いを繰り返すような読者は少ないだろう。そんな諸兄にとっては、乱高下から大暴落の危機も指摘される現在の株式市場はどのように映っているのだろうか。対岸の火事? いやいや、実は誰もが恐れる暴落時にこそ、儲かる秘密が潜んでいる。

「配当金が高い一流企業の株が安くなれば、当然みんな買いたくなります。ですが、自分の想像より大きく落ちると、今度はできるだけ早く手放したくなる。8月に入り株価の暴落が目立ち始めましたが、私自身は『いい買い場だな』と感じているくらいです」

 そう語るのは、週刊アサヒ芸能で「儲かるマネー駆け込み寺」を連載する、経済評論家の佐藤治彦氏だ。

「『今は危ないから手を出すな』というのは、日がな一日、パソコンの画面に張り付いているようなデイトレーダーに対しての警告です。もっと初心者に向けて伝えたいのは『安くなったタイミングで倒産の可能性が限りなく低い一流企業の株を買って、値上がりすれば売ればいいし、上がらなくても高い配当金を受け取りつつ、上がるまで持ち続けよう』ということですね」(佐藤氏、以下同)

 つまり、今まさに狙うべき銘柄の条件は、大企業を中心とした「高配当・優待高利回り株」なのだ。その一例が、佐藤氏が前号連載でも触れていた日本製鉄。同社は昨年12月に米大手・USスチールと買収で合意しているが、全米鉄鋼労働組合や、バイデン現大統領、大統領選に出馬するトランプ前大統領らが買収に難色を示している状況だ。だが、これには11月の大統領選に絡む、票集めなどの政治的思惑が大きく影響しているとされる。

 株価上昇が見込め、配当金も高い。日本製鉄の今年の最高値は3847円(3月4日)で、8月2日時点の終値は3202円だった。まさに買い時で、仮にこれ以上株価が下がるなら、女房を質に入れてでも買っておきたい銘柄だろう。

 証券アナリストが語る。

「同じ鉄鋼業界では神戸製鋼やJFEホールディングスなどの大手もこの暴落で配当利回りは軒並み5%超え。ディフェンシブで知られる医薬品業界では武田薬品やアステラス製薬が4%を上回る。さらに、高配当ながら優良株とされる一流企業では、コマツといった国際的な銘柄や、海運株の商船三井や日本郵船、川崎汽船、円高メリットが期待される鉱業のINPEXや石油資源開発も下げ止まれば、配当を含めたリターンが期待できます」

(下につづく)

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