【ロシア】パリ五輪で「蚊帳の外」中継ナシでもヤジ参戦はする“未練タラタラ”ぶり

 熱戦が繰り広げられているパリ五輪。ウクライナでの侵略を続けるロシアと同盟国のベラルーシは、国を代表しての選手の参加は認められておらず、「個人中立選手」としての参加のみ。蚊帳の外に置かれ、自らもあたかもパリ五輪はなかったものの如く扱っている。

「国営通信は五輪の中継を行っておらず、見たい人は五輪公式HPでどうぞと、知らぬ存ぜぬのような素振りです。ロシアからは15人の選手が中立選手として参加していますが、中立の名乗りを上げた選手に対しては、ロシアの国際ボクシング協会会長が『反逆者』呼ばわりをした経緯があり、そういう意味では本当に中立です」(スポーツライター)

 とはいえ、それでも実際に五輪は行われ一大イベントとして全世界が注目しているのだから、ロシアとしても“仲間外れ”にされたままではバツが悪い。そこで、“ガヤ”で埒外から参戦している。

「ロシアメディアでは熱戦の模様そのものはスルーしつつ、大会直前にあった高速鉄道の破壊や、カーボンニュートラルの大会を謳っているため生産においてCO2の輩出が多い肉の出ない選手村の食事、試合中の混乱など、大会を巡るマイナス情報ばかりを伝えています。いまだ未練タラタラなのが分かります」

 反米・対西側のスタンスを強調したかったのだろう、6月にはロシア連邦のタタールスタン共和国で、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)諸国によるオリンピックのようなものを開催している。 そこでは、プーチン大統領がビデオメッセージで開会を宣言。大会の「公平な機会」、「公正で妥協のない競争の勝利」を謳うなど、あたかもパリ五輪への当てつけや、ウクライナ侵略の正当性と勝利をにおわせるような言葉を発している。しかし当然ながら、世界の話題になることはかった。

「ロシアはパリ五輪において大会をボイコットした選手約240人以上に約2億ルーブル(約36億円)の補償金を払ったと伝えられています。選手にしてみれば人生をかけた目標の1つなわけですから、ずいぶんと安上がりで済ませたものだと思います」(同)

「早く終わってくれないかな…」という、プーチン氏の本音が聞こえてくるようだ。

(猫間滋)

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