7月13日の演説中に銃撃を受けるも一切怯まなかった姿が、強いアメリカを熱望する支持者の感動を呼んだトランプ前大統領。そしてついに21日にはバイデン大統領が再選断念を表明したことで、“ほぼトラ”は“確トラ”に限りなく近づいたとされる。
しかしそんな中、トランプ氏の私生活を巡って全米メディアで再浮上しているのが、メラニア夫人との離婚問題だ。メラニア夫人は銃撃事件の翌日、「これまで、いいときも悪いときも一緒に過ごしてきたドナルドは、寛大で思いやり深い人です」との声明を発表。しかし、この件に関してメディアで語ることはなく、それが夫婦の間に吹くすきま風の強さを物語っている、と報じる向きも少なくない。国際ジャーナリストが語る。
「2人の関係がギクシャクし始めたのは、トランプ氏が大統領選への再出馬を表明した頃からだとされますが、夫人はトランプ氏との結婚により、莫大な富と名声、そしてアメリカ国籍を手にすることができた。しかし、ファーストレディーの地位まで手にしたかったかどうかは疑問です。その証拠に、再出馬が決まり、今年3月のスーパーチューズデー圧勝の際も、夫人はその夜に行われた祝勝会に不参加。さらに6月27日のテレビ討論会も欠席しています。全米が注目する大統領候補の討論会に配偶者が欠席するのは異例で、もちろん、今回の銃撃事件現場にもその姿は見られなかった。ここ数カ月、ほとんど公の場に出て来ていないんです」
離婚危機が言われる理由の根底に、トランプ氏と女優のストーミー・ダニエルズさんとの不倫問題があることは言うまでもない。
「トランプ氏にとってメラニア夫人との結婚は3回目ですが、今回裁判でトランプ氏がダニエルズさんと性的関係を持ったとされるのが、夫人と結婚した1年目の2006年だったことが明らかになった。トランプ氏はその後、大統領選直前の16年、ダニエルズさんに13万ドル(約2000万円)の口止め料を支払ったとされ、支払いを不正処理した罪などで起訴。今年5月末には34件の罪状すべてで有罪判決が下され、連日メディアで大きく取り上げられてきましたからね。当然のことながら、夫人としても忸怩たる思いがあったことは想像に難しくありません」(同)
メラニア夫人は、一連の不倫報道や裁判について沈黙を貫いているが、一部報道によれば、すでに結婚前に離婚時の慰謝料を取り決める「婚前契約」の見直しを求め、その額は5000万ドル(約80億円)から、6500万ドル(約100億円)に跳ね上がったという。
「契約社会のアメリカでは離婚時のトラブル回避のため、結婚時に婚前契約を交わすケースは少なくありませんが、夫人のそうした契約の背景には、訴訟まみれのトランプ氏から事前に1ドルでも多くの資産を抑えておきたいとの思惑があるからとの見方もあります」(同)
再選が現実味を帯びてきたものの、私生活ではゴタゴタが消えないトランプ氏。果たしてその行方は。
(灯倫太郎)