為替介入も効果なし!円安「160円超え」も指摘される「日銀の動きは織り込み済み」の声

 4月10日夜、米国消費者物価指数(CPI)が発表され、3カ月連続で市場予想を上回ると、円相場は昨年11月から防衛ラインとなっていた152円を軽々とブレイクし、15日には1ドル154円台に突入した。

 円売りに歯止めがかからない状況で、日銀の為替介入の見込みも高まっているが、仮に介入があっても、さらなる円安に動く可能性があるという。

「円安は物価高の原因ともなっていますから、早く為替介入をして適切な水準に戻すべきとの声もあります。ただ、介入をしたとしてもそう簡単に円高にはならないかもしれません。3月19日には日銀がマイナス金利の解除を決定したことで、円高に向かうと考えられていましたが、予想に反して円安方向へと進みました。というのも、日銀がマイナス金利解除に動くであろうことは事前にリークされていたこともあり、すでに市場は織り込済みだったのです」(経済ジャーナリスト)

 為替介入に関してもこれと同じことが起こる可能性があるという。

「鈴木俊一財務相や神田真人財務官も、円高に対する質問にたびたび為替介入をほのめかしています。ただ、22年の9月と10月に介入を行った際は覆面介入でいきなりドンと円が買われたために大きな効果がありましたが、これから介入を行ったとしてもサプライズにはならないだろうと見られています。世界の投機筋はすでに介入が来るのを待ち構えていて、介入でドルが安くなったところで買うだけです。さらなる介入でドルが下落しても、また買う。それの繰り返しで、結局のところ円高に触れるのは一瞬で、むしろ円安方向に突き進んで1ドル160円超えの可能性も十分にあるのです」(前出・ジャーナリスト)

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、11日の決算説明会で「円安は日本にとって良いわけがない」と強い口調で語った。介入が失敗に終われば、日本にとってはさらなる悪環境が続くことになりそうだ。

(小林洋三)

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