日銀の利上げ決定は岸田総理再選の布石!? 橋本五郎氏の解説に怒りの声

 日銀が政策金利を0.25%程度に引き上げる追加利上げを決定したのは7月31日のこと。その後の記者会見で植田和男総裁は、「景気に大きなマイナスの影響を与えるということはない」とコメントしていたが、8月2日の株式市場は日経平均が2200円以上下げる“大暴落”となった。

 なぜこのタイミングで利上げを決定したのか。8月3日放送の日本テレビ系「ウェークアップ」で、読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏が自民党総裁選との兼ね合いを指摘すると、SNSは大荒れ。《利上げは岸田のためってこと?》《やっぱり政府の指示だったのか》などと怒りの声が相次いだ。

 番組では、総合司会の中谷しのぶアナウンサーが、「政治家からも利上げを促すような発言。選挙を見据えて、というところもあると思います」と話を振ると、橋本氏は「物価高、円安に対して、国民の不安がある。それに対して応えなければいけない。政府と日銀って、別にね、陰でいろんな連携をしてるってことは言えると思いますよ」と述べ、今回の利上げ決定は市場予測よりも早かった点を指摘。その理由についてこう語った。

「なぜかって言うとね、次の(金融政策決定)会合が9月なんです。そうすると自民党の総裁選と直結しちゃうんですよ。そうすると、この利上げが総裁選に影響を与えたということを思われたくない。というね、日銀独自な考えがあったかもしれませんね」

 日銀がサプライズ利上げを7月31日に実施したのは、自民党総裁選を忖度してのことなのだろうか。だが、突然の利上げ決定がおよぼした影響は大きく、住宅ローンの負担増、企業の資金借り入れの負担増、それに伴う賃上げの停滞など、マイナス面が懸念される事態となっている。

「橋本氏の言う通り、日銀が次に金融政策決定会合を開くのは9月19日。現時点で自民党総裁選の日程は決まっていませんが、おそらく同時期に行われる見通し。たしかに7月の時点で利上げを決定し、円安から円高に転じれば、9月頃には物価高が落ち着き、岸田総理は『円安阻止』『物価安定』をアピールする布石となりますからね。これまで、岸田総理が植田総裁を牽制して、利上げのカードを切らせなかったという見方もできます。しかし、結果的には、8月2日に日本株式市場の大暴落を招いてしまった。米国株の下落の影響とはいえ、このままでは、内閣支持率が最低水準のまま岸田総理は次の総裁選を迎えることとなりそうです」(政治ジャーナリスト)

 たかが1政党の総裁選びで、国民生活が大きく左右されていいものだろうか。

(福島シゲル)

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