金利の引き上げでお金が増える時代へ、お得な2商品を紹介!/佐藤治彦「儲かる“マネー”駆け込み寺」

 日銀が金利を再び上げた。アベノミクスの歪んだ金融政策から植田日銀総裁による日本経済正常化への道を歩み始めている。金利を上げることは円安に歯止めをかける一定の力となり、物価上昇を抑えることも期待される。

 また、まともな利息、つまり、定期預金などに金利がつけば、ちょっとした小遣いにもなる。銀行に預けるだけでなく、お金が増える時代が戻ってきたのだ。

 昨夏に日銀が金利を上げて、少しずつ預貯金の金利も高くなり始めた。ところがだ。かつてまともな金利のあった30年以上前の日本は、銀行の定期預金といえば、どこも同じ横並びの金利だったが、今はそうじゃない。銀行によって異なる。そこで、どこに貯蓄したら得なのか探してみた。

 まず、金利はこれからも上がるだろうから、今は短い1年ものの定期に私も最近預けた。それが「auじぶん銀行」の2月末までの冬のキャンペーン。1年もので実質1%(税引後0.79%)という円定期だ。ネット銀行だが三菱UFJ銀行とKDDIが作った金融機関なので信頼性は高い。

 金利で0.85%、さらに現金で0.15%分が支払われ、合計1%の利息。日本を代表する大銀行が後ろ盾なので心配ないだろうが、万が一、経営破綻して元本や利息が返せないということになっても、預金保険機構という公的な制度が1人1000万円までの元本と利息を保証してくれる。

「そんなに預けるお金がないんだよ」という人や、これから貯蓄を始める若者などにオススメなのが「明治安田生命」の「じぶんの積立」という預金もどきの保険商品。毎月1口5000円(最大4口まで)の保険金を5年間積み立て、5年間の据え置き期間を過ぎた10年後に満期保険金として預けたお金と6.3%分のオマケを受け取れるというもの。

 つまり、毎月5000円なら1年で6万円。5年だと30万円を積み立てる。その5年後に1万9000円増えた31万9000円が戻ってくるという商品だ。銀行預金で1万9000円の利息がもらえると考えればいいだろう。

「何だ、大したことないなぁ」と思われる方もいるかもしれないが、この商品は税金でウンと得できる仕組みになっている。他の生命保険に加入して控除を受けていないことが条件だが、積み立てでお金を払っている期間は、毎年8万円まで生命保険料控除の対象となり、所得税や住民税が戻ってくる。

 どのくらいかというと、独身サラリーマンの場合、1年で8万円以上積み立てた場合は、300万円の給与収入なら毎年4800円、500万円で6800円、700万円だと1万800円の所得税と住民税の軽減がある。年間8万円に対して6800円なら8.5%もお金が戻ってくるわけで、銀行預金では考えられないお得さだ。

 さらに、銀行預金なら利息部分には20%以上の税金が引かれてしまうが、この保険商品の場合は、増えたお金もまるまる手元に残ることがほとんど。

 もし途中でお金が必要になった場合は、保険契約を途中で解約することになるが、戻ってくるお金は払い込んだお金を下回ることはない。つまり、損をすることはない。明治安田生命がお金を返せなくなるようなことはまずないだろうから、そこも安心だ。

 ただし銀行と違って、積み立てを始める時も解約する時も、担当者に連絡をして、いろいろと手続きが必要となる。それがちょっと面倒かもしれない。

 というわけで今回は2つの商品を紹介したが、金利の引き上げにより、今後さらに高金利の商品が出てくる可能性も期待できる。汗水流して働いてやっと手に入れた大事なお金もインフレでどんどん目減りする時代。賢く守ってほしい。

 今後もこれは! と思うものを見つけたら、またこのページで紹介したい。

佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。8月5日に新刊「新NISA 次に買うべき12銘柄といつ売るべきかを教えます!」(扶桑社)発売。

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