さらに1人、虎視眈々と女性総理の座を狙うのが、1月25日に茂木派から離脱した小渕優子選対委員長（50）だ。ジャーナリスト・鈴木哲夫氏が続ける。
「小渕氏を可愛がってきた故・青木幹雄、故・竹下亘の両大物議員は、同じ派閥に属しながら、領袖である茂木敏充幹事長（68）とは折り合いが悪かった。必然的に小渕選対委員長も、茂木幹事長と関係がよくありません。表向きには新設された政治刷新本部で『党の幹部は派閥を離脱すべき』という意見が出たため、としていますが、これ幸いとばかりに離脱の理由にしたのだと思います」
それを裏付けるように、茂木派を離脱したのはいわゆる青木・竹下両氏の薫陶を受けた議員ばかり。
「今後は恐らく、小渕選対委員長をトップにしたグループが結成され、多数派工作を行っていくでしょう」（鈴木氏）
志半ばで倒れた小渕恵三元総理の愛娘というサラブレッドなだけに、“ガラスの天井”をドリルでブチ破れるか。
これら4人の次点候補として力をためるのは、三原じゅん子議員（59）と言われる。
「自身のSNSで、政治刷新本部で派閥解消を推し進める姿勢を強調。男性社会でコツコツ地道にやってきた姿勢が、派閥なき自民党で花開くかもしれません」
ジャーナリストの山村明義氏がこう語るのにはワケがある。三原議員は12月19日、都内ホテルで「三原じゅん子さんを励ます会」というパーティーを敢行したのだが、
「当日は安倍派、二階派の事務所に東京地検特捜部が強制捜査に入った日。それだけに、同日に予定されていた党内のパーティーはほとんど自粛していました。ですが三原議員だけは『派閥の政治資金パーティーじゃないから問題ないでしょ』と言わんばかりに、何食わぬ顔で開催を強行したんです。関係者は『神経が太い』と半分アキれながらも称賛していました」
女優とレーシングドライバーで鍛えたハートの強さは、並みいる美女議員の中でも抜きんでている。女性総理という“大舞台”への抜擢もゼロではない。
チャンスを摑みそうな女性議員がいる一方で、これまで出世を有力視されながらも、騒動の影響でピンチに陥ったムキも。中でも昨年末、早々に二階派を離脱した自見英子万博担当相（47）は、賛否渦巻く大阪万博以上に“崖っぷち”に立たされているという。
「実はかなりのパワハラ体質。大臣の地位と、後ろ盾である医師会の潤沢な支援をカサに着て、厚労省の官僚や番記者に横柄な態度で上から目線で発言し、ノイローゼやうつ病になった人も。守ってくれる派閥がなくなり、スキャンダルが噴出しそうです」（政治部デスク）
同い年、かつ東京大学で同級生だった、旧安倍派の丸川珠代議員（53）と、“エッフェル姉さん”こと松川るい議員（52）の間には、東大卒のプライドをかけて、不穏な空気が漂う。
「松川の大阪選挙区では、自民は維新の牙城を崩せていないし、府知事＆市長W選において選対女性局長の立場にもかかわらず、応援にも立たずに敵前逃亡したことで総スカンを食らった。一説にはこれが“エッフェル騒動”の内部リークにもつながったと言われるが、それもあって『私は大阪で終わる女じゃない』と、次期衆院選の不出馬を表明した立憲民主党・菅直人元総理（77）の東京18区に、衆院鞍替え出馬をもくろんでいる。同じ東大卒で自民党都連女性局長の丸川は、トラブルメーカーの松川を警戒している」（永田町関係者）
派閥の崩壊が、女のプライドをかけた激突に火を放つことになりそうだ。
最後は“安倍ガールズ”の筆頭格で、かつては防衛相を務めるなどメディアでもてはやされた稲田朋美議員（64）は凋落の一途とか。
「旧安倍派では事務総長代理を務め、約200万円のキックバックもめくれました。むしろ派閥解消に対して責任を取る立場にあり、今後、檜舞台へのカムバックは無理筋です。『総理候補』と言われた時期もありますが、安倍さんという後ろ盾がない今、もはや単なる『一兵卒』ですよ」（政治部デスク）
確執深き美女たちの遺恨バトルはまだ始まったばかり。だが、その火花が国会に飛び火するのも間近だ。
「週刊アサヒ芸能」2月15・22日号掲載
