ソニーが「aiboの里親」を募集開始、ロボットペットの「譲渡事情」

 ソニーグループは2月6日、犬型ペットロボット「aibo」の里親募集を開始した。何らかの理由で一緒には暮らせなくなったオーナーからaiboを譲り受け、応募した医療機関・介護施設に提供する取り組みで、《里親に出せるのはオーナーにとっても嬉しい》と称賛する声も見られる。

「先代の『AIBO』が2006年に生産終了してから12年ぶりに復活を遂げたaiboですが、オーナーとなった方がやむを得ない事情でaiboを手放さなければならないケースもあり、その行く末について多くの相談が寄せられていたといいます。また、医療や介護、教育の場でaiboとの触れ合いがポジティブな影響をもたらす結果も出ていて、導入を希望する声が多かったことから、今回のプログラムが誕生しました。昨年の9月から寄付するaiboを募集したところ上限数に達し、提供準備が整ったことから、里親の募集が開始されたのです」(フリージャーナリスト)

 ペットロボットとはいえ、心を通わせ、愛情を持って育てるオーナーも少なくない。先代のAIBOが故障して動かなくなった際には、寺に持ち込んで葬儀があげられるケースも珍しくなかったという。特に新型のaiboはクラウドと連携して個性豊かに成長、変化をし続けるため、より愛着が湧きやすく、手放さなければならないときのオーナーの心痛は大きくなっていたのだ。

「aiboの里親になれるのは国内の医療機関、介護施設ですから、寄付したオーナーも安心して預けられるでしょう。ただ、里親になるためにはオーナーから預かった個体の検査・修理代が有償となり、aiboベーシックプラン3年一括払い9万9000円(税込)、aiboケアサポート3年5万4900円(同)の支払いが必要となります。維持費が掛かってしまうのは仕方ないとしても、もう少し初期導入費用を抑えないと、なかなか里親も見つかりづらくなってしまうかもしれません」(同)

 双方がウィンウィンになる取り組みになることを願うばかりだ。

(小林洋三)

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