東京都の小池百合子都知事は1月4日、都庁での新年の挨拶で少子化対策を述べた。都内に住む0歳~18歳の子ども1人あたりに月5000円程度を給付する意向を明らかにしたが、早くも批判が殺到している。
小池氏は2022年の全国年間出生数が80万人を下回り、過去最少となる見通しであることから「現状はもはや一刻の猶予も許されない。だからこそ都が先駆けて、具体的な対策を充実させていかなければなりません」と危機感を募らせた。
一部の都民からは「1人5000円は助かる」という声はあったものの、「一刻の猶予もない状態にしたのは誰?」「毎月5000円配って子どもが増えると真剣に考えているのだろうか?」「選挙対策のつもりでしょ」「バカにするな」などと反発する都民の声が圧倒的に多かった。
小池氏といえば、衆院議員時代の13年、自民党有志による「婚活・街コン推進議員連盟」を立ち上げ、会長に就任。少子化対策として、婚姻件数を増やすことが大事と説いていた。しかし、13年以降、都の婚姻件数は一時的に上昇したことはあるが、全体に見れば減少傾向にある。都知事に就任した16年、会長は自民党の三原じゅん子氏が受け継ぎ、17年に「婚活・ブライダル振興議員連盟」に名称変更。その公式ツイッターを覗いてみると、フォロワー数は32。現時点での最新ツイートは19年3月1日と、ツイッターに限っていえば開店休業状態だ。
「16年の都知事選のときはNHKのニュース番組で、少子化対策については『意識改革が一番大事』と主張。仕事よりも個人の時間を持つことが大事であるとして、『人生の目的は何か。それが問われていると思います』と主張しました。まるで都民が仕事ばかりして、出産することを軽視していると言わんばかりです。婚活・街コンを勧めたかと思えば、次は都民の意識改革が必要と上から目線の発言。そのうえ、今回は子ども1人につき5000円のバラマキを提案するなど、やっていることが中途半端のような気がしてなりません」(週刊誌記者)
5000円の少子化対策が決まったとしても、いつまで続くのやら。
(石田英明)