最近、やたらと聞くようになった「タクシー難民」という言葉。ひと昔前に比べると街で拾うのが難しくなり、駅前のタクシー乗り場に1台も止まっていないことも珍しくない。裏返せばそれだけ需要が高まっているということだ。
一般社団法人全国タクシー・ハイヤー連合会の調査によると、22年のタクシー運転手の平均年収は361万円。20年、21年は大きく落ち込んでいたが、コロナ禍前の19年並みの水準まで回復している。
「2010年にはリーマンショックなどの影響で平成以降では最低となる278万円に。その後も300万円前後で推移していましたが、10年代半ばからは大きく上昇。23年の統計はまだ公表されていませんが前年以上になる見込みです。この調子で行けば、過去最高を記録した94年の403万円を超すのは間違いないでしょう」(全国紙記者)
ちなみに同連合会の統計では、平成以降でもっとも運転手の数が多かったのは08年の37万6399人だが、23年8月末時点では23万2912人。約15年で38%も減少している。
「実は、業界全体の営業収入は90年代前半をピークに減少傾向にあり、平均収入が上がったのは運転手の数が減ったからです。特に大阪は外国人観光客の需要もあってタクシー不足が深刻ですが、平均年収も400万円を大きく超えています」(同)
だが、この4月からは「Uber」などに代表されるライドシェアサービスが日本でも部分的に解禁される。タクシー業界にとっては脅威となりうる存在だと思うが…。
「この制度は、過疎地などでドライバー不足になっている場合、二種運転免許がなくても資格を満たせば、自治体や法人が自家用車でタクシー業務をおこなえるというもの。アメリカのライドシェアサービスと大きく異なるのが、『タクシー事業の一環として運送サービスを提供する』という点です。つまり、運行管理や配車をはじめ、
タクシー業界の未来は明るい?