国内最大手のうどんチェーンで、米国や台湾、東南アジアなど海外8カ国に進出している丸亀製麺。実は、ロシアでも店舗展開をしていたが、ウクライナへの軍事侵攻が始まった翌月の22年3月に現地の7店舗を閉鎖した。
だが、同社とフランチャイズ契約を結んでいた現地企業は「MAPУ」と名前を変え、現在も営業を続けているようだ。
「呼び名は『マル』。しかも、外観や内装は基本的に変えておらず、丸亀製麺のロゴが入った食器をそのまま使っています。唯一変えたのは、店の入口にあったロシア語での丸亀を意味する『MAPУKAMЭ』の文字看板などから『KAMЭ』の4文字を外したくらいですね。本家・丸亀製麺は提供システムや設備の使用などをいっさい認めていませんから、もはや『パクリチェーン』と言ってもいいでしょう」(ロシア事情に詳しいジャーナリスト)
味はどうかと言えば、同店を訪れた日本人客からの評価は最低だ。ロシア旅行の際に実食ルポを行った旅行系ユーチューバーの中には、「くそマズい。うどんじゃない」と動画の中で酷評する者もいる。実際、「パクリチェーン」になってから複数回食べに行ったというモスクワ駐在員の男性も「味は確実に悪くなった」と語る。
「天ぷらなどの揚げ物はそこまで変わったという印象はありません。でも、麺は讃岐うどんらしいコシがなく、給食のソフト麺を劣化させたような感じです。なにより本家と違って茹で上げではなく、あらかじめ茹でてあるうどんがどんぶりに入ってカウンターに並んでいました」
さらに、汁に関しても丸亀時代に比べると別物だという。
「ロシアは寒いから塩分多めの味を好む人が多い。だからアレンジしたのもしれませんけど、かなりしょっぱくなりましたね。以前は毎回飲み干していましたが、MAPУになってからは残しています。でも、モスクワでうどんと天ぷら、飲み物が付いて1000円前後で食べられるお店は貴重だし、仕方なく通っている状態です」(前出・駐在員)
しょせんはパクリ。本家のクオリティを再現するこは不可能なのだろう。