獲得を狙っていたのは、DeNAだったのか…。12月22日、横浜DeNAベイスターズが新外国人投手として、パイレーツの158キロ右腕アンドレ・ジャクソンの「獲得調査を進めている」との一報が各メディアによって伝えられた。「調査中」とのことだが、米メディアは決定事項のように報じていた。
「12日、パイレーツがジャクソンを40人枠から外し、その理由として、『彼自身がNPBでプレーすることが望んでいるからだ』と複数の関係者がコメントしていました。日本のどの球団が獲得するのだろうと思っていたら、DeNAの球団名がようやく出て…」(在米ライター)
DeNAは前ブルージェイズマイナーのローワン・ウィックを獲ったが、エース・今永昇太の米球界挑戦に加えて、バウアーの去就もいまだはっきりしていない。国内FA権を行使した石田健大の残留は決まったものの、「先発要員」はまだ不足している。
23年シーズン終盤、主に先発で登板してきたジャクソンにはローテーション入りが期待されるが、こんな不安要素も耳に入ってきた。
「スタミナ不足というのが、米球界での評価です。良くて5回途中でガス欠になってしまいます。球数だって、60球程度で球速がガクンと落ちてしまうし、先発は厳しいと思います」(前出・在米ライター)
DeNAのブルペンには実績十分な好投手も多いが、60球でバテるとなれば、投入するリリーバーの数は通常の勝ち試合よりも増えてしまう。ジャクソン獲得はリリーフ要員の増員と見るべきだろう。
「今永は米球界でも左の先発投手として高く評価されています。彼の譲渡金を見越して、この後、先発タイプの外国人投手を獲得するのでは」(球界関係者)
前出の在米ライターによれば、米球界復帰を目指すバウアーの交渉に進展はないそうだ。バウアーは20年オフ、3年1億200万ドル(約145億円)でドジャースと契約した。23年1月に“契約解除”となったが、ドジャースが年俸残額を支払ったとされており、それがDeNAの「1年300万ドル(4億2700万円)」の提示を受け入れた背景になったという。
DeNAがビッグネームの外国人選手にアタックしなかったのは、やはり、今永の譲渡金が「バウアーとの再契約で消えてしまう」と判断したからだろうか。
(飯山満/スポーツライター)