「みんなで大爆笑していました」ソフトバンク小久保監督が一蹴した「指笛騒動」で残る“サイン盗み”の疑心暗鬼

 今年のプロ野球日本シリーズ(ソフトバンク対DeNA)は2勝2敗となり、いよいよ盛り上がってきた。

 ソフトバンクの2連勝で一気に4タテの雰囲気もあったが、ターニングポイントになりそうな“トラブル”が波紋を呼んでいる。10月29日の第3戦(みずほペイペイドーム)6回裏、DeNAの東克樹投手が主審に訴えた“指笛騒動”だ。

 東は自身のXでも「炎上覚悟で言います。(みずほペイペイでは)禁止されていないのでやってもらって構わないんですが、ただ投球モーションに入ったタイミングで指笛をやるのはやめてください。という話です」と発信している。

「東は表向き“妨害行為”として訴えたのですが、我々記者を含め、プロ野球関係者が一番に疑ったのが“サイン盗み”。もちろんサイン盗みはルール違反な上に、話題にすることもタブー。翌日の第4戦は目立った問題は起きませんでしたが、今も行われているのではないか、という“疑心暗鬼”な状態です」(夕刊紙記者)

 2021年、7月6日のヤクルト対阪神戦(神宮)の5回表、2塁走者の阪神・近本光司が左手を横に真っ直ぐ伸ばすなどの動きに対し、ヤクルトの村上宗隆が“サイン盗み”を指摘。確かにそのとき、ヤクルトの捕手(古賀優大)はインコース高めに構えており、打者(佐藤輝明)から見れば“インハイに投げてくる”という行為にも見えた。村上の指摘に当時、阪神を指揮していた矢野燿大監督と、来季から中日の監督になる井上一樹ヘッドが村上に向けて激怒。矢野監督の「やるわけないやろボケ!」と罵声を飛ばす姿は映像に捉えられていた。真偽のほどはもちろん定かではないが、セ・リーグは翌日、阪神に「サイン盗みまであったとは思っていない」としながらも「紛らわしい動作であったとは感じた」と注意している。

 ソフトバンクの小久保裕紀監督は第3戦後のインタビューで東の訴えの理由を聞いて「よくわかんないですね。口笛って笑ってしまいましたね。みんなで大爆笑していました」などとコメントしていたが、一つ間違えば笑いごとでは済まない騒動だったことは間違いない。

(小田龍司)

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