落語家の立川志らくが12月11日、漫才日本一を決める「M-1グランプリ」の審査員を勇退することを発表した。
志らくは同日、自身の公式YouTubeチャンネルを更新。5年間審査員を務めたことを振り返り、「才能の塊のような、若い漫才師を目の前で見ることができたってのは、きれい事ですけども、私の財産の1つにはなりました」と感謝した。
志らくの審査を巡っては、毎年のように「落語家がなぜ漫才を審査するのか」という批判が上がり、物議を醸してきた。しかし、落語家としての独特の視点を評価するファンも少なくなく、突然の勇退を惜しむ声が上がっている。
それと同時に話題になっているのは、12月24日に生放送される2023年大会の「後任人事」だ。この時期に勇退発表するということは人選が既に決まっているのだろうが、ネット上では《爆笑問題の太田光じゃないか》《テレビプロデューサーの佐久間宣行に1票》といった名前が取り沙汰されている。しかし、太田は過去に「俺は審査員なんかできないよ」と発言しており、また佐久間氏も自身のラジオ番組内で「俺審査員じゃねぇし!オファーもきてねぇし」と否定している。
では、他に有力者はいるのか? お笑いライターが語る。
「これまで多くのお笑い芸人がM-1の審査員を務めてきましたが、過去には青島幸男氏や鴻上尚史氏などが起用されたこともあり、必ずしも漫才師にはとらわれない人選になるかもしれません。ネット上では、春風亭一之輔や春風亭小朝、神田伯山を推す声も多いですね。いずれにしても、M-1の審査員はどんな評論をしても、ファンの反感を買いやすい。喜んで手を上げる人は少ないでしょうね」
これまでの審査員には落語家枠があり、志らくの他にも、2001年には春風亭小朝、02年には立川談志が務めている。今回、誰もが文句を言えない人選があるとすれば、落語家でもあり、関東のお笑いに最も造詣の深い放送作家の高田文夫氏が、有力な候補になるのではないだろうか。
12月24日のイブの審査員席には、さて誰が座っているだろうか。
(ケン高田)