社会保険料増に「メディアの責任」「消費減税は悪手」田﨑史郎氏に批判殺到

 税収増の還元策として、定額減税や低所得者向けの給付金支給の検討に入った岸田政権。その額は5兆円規模とも言われているが、世間では、税よりも社会保険料の軽減を求める声が高まっているという。

 これを受けて、10月25日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」は、元厚労省キャリア官僚でコンサルティング会社代表の千正康裕氏をスタジオに招いて、社会保険料の仕組みを徹底解説。年収500万円の会社員のケースでは、1989年に比べて厚生年金保険料は年間約45万円、健康保険料は年間約24万円も増えているという。

 千正氏は「みんなが知らないうちに増えているのがポイント」として、年金については2004年の法律改正で段階的な増額が決まったと解説。「みんながあまり着目しないっていうのも…税金のほうはあまり上がってなくて、社会保険料が上がってきている。背景にはそれもある」と語った。

 MCの羽鳥慎一アナは「必要なものではあると思いますが、みんなが気が付かないからそこを上げていこうってなってるんじゃないの? という人もいます」と話を振ると、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏はこうコメントした。

「メディアの責任も大きくて、増税とか消費税になるとものすごく大きく報道しますよね。一方、社会保険料上がる時は、一回(新聞の)一面で書いたらもう次から一面から消えていって静かになってしまう。だからメディアが報道しないと国民に伝わらないですから。もっと伝えるべきだったと思いますね」

 社会保険料の増額を「メディアの責任」と批判したことに、SNS上では《報道させないのは自民党の圧力では?》《御用聞きジャーナリストが何を言うんだ?》といった批判が殺到していた。

「番組の終盤では視聴者からの『消費減税』『消費税廃止』を求めるメッセージが読み上げられました。これに対して田﨑氏は『消費税は基幹税』としたうえで、消費税を下げると言ったとたんに買い控えが起きると指摘。お金を使わなくなることで景気が冷え込むので、『経済政策としては悪手』と断じていました。これには他のコメンテーターも沈黙。実は岸田総理も21年の党首討論会で同じ論理で、消費減税に否定的な姿勢を示していました。自民党にベッタリと見られているジャーナリストがメディアを批判したことに、違和感を覚えた視聴者は少なくなかったかもしれません」(メディア誌ライター)

 いずれにしても政府による「還元策」に、高望みしないほうが賢明かもしれない。

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