吉田尚正の新人王獲得を阻むのは、藤浪晋太郎の同僚。日本時間10月2日、オリオールズ戦との一戦が行われた。同試合をもって、レッドソックス・吉田の今シーズンが終了した。打率2割8分9厘、本塁打15、打点72。メジャーリーグ1年目としてはハイレベルな数値である。
「過去、メジャー1年目に150安打以上をマークした日本人選手は、イチロー氏、松井秀喜氏、現ヤクルトの青木宣親の3人だけです」(スポーツ紙記者)
そうなると、吉田にはア・リーグ新人王のタイトルも獲ってもらいたいが、“ライバル”もかなり高い成績を残していた。
「オリオールズのガナー・ヘンダーソンが優勢のようです。オッズではヘンダーソンが1位で、吉田が5位(同時点)。オリオールズは地区優勝チームであり、優勝チームのショートを任された貢献度が大きな加点材料となっています」(現地メディア)
ヘンダーソンは打率こそ2割5分5厘だが、本塁打は28、打点は82。本塁打と打点の2項目が「吉田よりも上」で、「吉田は走塁と守備での加点がなく、その差が大きい」(米国人ライター)との指摘も聞かれた。
「ヘンダーソンは昨年にメジャーデビューしているので、実質2年目。ファンの新人王獲得の期待が大きかったせいか、開幕して2カ月は不振にあえいでいました。『もうダメか?』と思われたころ、覚醒したんです」(前出・ライター)
シーズンを通して、低評価と高評価の両方を経験しているのは藤浪と同じだ。藤浪を新人王に推す声がなかったのは、同じチーム内に本命・ヘンダーソンがいたからだろう。
「藤浪は新人王の話題にはまったく興味がないみたい。ヘンダーソンが吉田と争っていることはわかっていると思いますが」(前出・現地メディア)
藤浪が無関心なのは、案外、「オレも忘れないでくれ」のシットかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)