「ステルス値上げだ!」と不満の声も…JR各社が乗継割引を来春廃止へ

 新幹線から在来線の特急列車に乗り継ぐ際、在来線の特急料金や指定席料金が半額になるJRの「乗継割引」。旅行者や出張のビジネスマンに重宝されていたが、9月に北海道、東日本、東海、西日本のJRグループ4社は来春をもって全廃することを相次いで発表した。

 なお、JR九州は11年3月に九州新幹線が全線開通したタイミングで廃止済み。JR四国も山陽新幹線に加え、東京—高松を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸」と四国管内の特急との乗り継ぎにも適用されていたが今年3月に廃止されている。

「遅かれ早かれJR各社が追随すると見られていたため、予想通りの結果と言えます。しかしながら乗継割引は国鉄時代から続くJRの主要な割引のひとつ。鉄道を使って長距離を移動する時には便利な割引だったため、ネット上では《ステルス値上げだ!》といった不満の声も上がっています」(鉄道専門誌編集者)

 JRや私鉄各社は消費税が10%に増税された19年10月、そして今年3月にも多くの鉄道会社が運賃を値上げしている。だが、乗継割引の廃止に伴い、今後は最大でさらに数千円出費が膨らむ及ぶケースも想定され、利用者の負担はますます大きくなる。

「ただし、各社ともネット予約可能な早割切符も充実しており、航空券のように早めに予約すれば乗継割引以上に安く乗ることができます。そのため、そこまでの大きな混乱はないと思いますが、乗継割引の利点は乗車当日の購入でも適用されたこと。今後は急な用事などで地方に行く場合にこれが使えなくなるのはキツいですね。ネット予約でも当日の購入だとほとんど安くなりませんから」(同)

 とりあえず、来春以降に旅行や帰省で鉄道を利用する際は早めにネット予約。1円でも安く購入したい方は、これを心がけるようにしたほうがよさそうだ。

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