「ステルス値下げだ!」フジパンが「ネオレーズンバターロール」をひっそり増量

 フジパンの「ネオレーズンバターロール」が5個から6個に増量されているとX(旧Twitter)上で大きな話題となっている。同商品は昨年3月から6個から5個に減量されていたが、公式サイトなどではアナウンスがないまま6個入りに戻されていたことから《これはもはやステルス値下げ》などの声もあがっている。

「今月3日、とあるXユーザーが『ネオレーズンバターロール』が6個入りに戻っていることを発見し、『こういうのって一旦減らしたらそのまま戻さない印象だったわ。フジパンはもっとアピールして良いぞ』と投稿しました。すると、この投稿に5万以上のいいねが付くなど拡散。減量された商品が元の量に戻るのがよほど珍しかったのか、Xには驚きのコメントが数多く寄せられています」(WEBメディア記者)

 同商品は2023年3月1日納品分より、輸入レーズンの世界的な減産によってレーズンの国際価格が大幅に高騰していることから、コスト削減策で内部吸収することが厳しい状況になったとして、内容量を6個から5個に減らす実質値上げをしていた。なお、レーズンの価格は昨年から大きな変動はないが、フジパンによると「お客様から入り数に関するご意見を数多くいただいた」そうで、社内で検討して6個入に戻すことを決めたという。

「22年からはじまった値上げラッシュですが、これ以上価格には転嫁できないとして、内容量を減らす実質値上げを行うメーカーは少なくありません。しかし、『ネオレーズンバターロール』しかり、山崎製パンの『薄皮シリーズ』しかり、実質値上げは消費者が気付きにくいことや、これまで食べ慣れた個数でなくなったことへの不満などから批判されることもあったのです。とはいえ、批判されたから内容量を戻すというのは簡単なことではなく、今回の例もレーズン価格は高騰したままで、生地量やマーガリン量など1個あたりの規格も変更しないで数を戻したといいますから、この企業努力は称えられてしかるべきだと思います」(フードジャーナリスト)

 今後、フジパンに追随するところは出てくるだろうか?

(小林洋三)

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