「日本を代表するクローザーに」原巨人が9月に新外国人選手を獲得した狙い

 9月下旬に入団会見か…。原巨人がドミニカ共和国出身の右腕、ユーリー・ラモスと育成契約を交わした。9月の入団会見は、異例である。支配下登録での選手契約はできないが、育成であればルール上、OKだという。

 会見に同席した大塚淳弘副代表の「来年のキャンプで支配下に登録できる」「ヤンキースからも声が掛かっていたんですけど」「日本を代表するクローザーになるんじゃないかと思っています」なるコメントから戦力として期待していることは間違いないようだが、来季、支配下登録される外国人投手はほかにもいた。

「キャンプイン直前の1月24日に獲得が伝えられたエルビス・ルシアーノが急成長しました。いや、『成長した』というよりも、復活したと見るべきでしょう。来季、先発ローテーションに入ってくるとの高評価も聞かれました」(ベテラン記者)

 ルシアーノはまだ23歳だが、ブルージェイズ時代にすでにメジャーマウンドも経験している。当時はまだ19歳、その後は右ヒジの故障でマイナー生活を続けていた。昨年オフに解雇され、巨人の調査網に引っ掛かったのだが、春季キャンプでは「故障・リハビリ班」だった。右ヒジが完全に癒えたのだろう。8月半ばから本格的な投球練習を再開させた。

「9月14日にシート打撃のマウンドに上がりました。打者に向かって投げるのは1年3ヶ月ぶりとのことでしたが、力強いボールを投げていました」(前出・同)

 奇しくも、ラモス、ルシアーノともにドミニカ共和国の出身だ。2人が一軍戦力となれば、オフになって新外国人選手を探す手間は省けそうだが、問題は外国人選手の一軍登録枠。グリフィン、ビーディ、メンデスの3投手は残留の方向で、投球フォームを改造中のロペスに期待する関係者も多いそうだ。

 外国人野手を獲れば、試合出場枠の4人に登録できない外国人投手も出てくるだろう。

「今オフ、大砲タイプの野手も獲得に動くはず。米国、日本のように試合数が多くない外国のプロ野球組織も少なくありません。この時期は、若い外国人選手と契約しやすい時期なんでしょう。今後、9月に有望な外国人選手と契約するパターンも増えそうです」(球界関係者)

 第2のラモスが現れるとしたら、野手だろう。来季の巨人は外国人選手の一軍戦出場枠をどうまわしていくかがポイントとなりそうだ。

(飯山満/スポーツライター)

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