大谷翔平のア・リーグ本塁打王タイトルはどうなる? 9月19日(現地時間、以下同)のナショナルズ戦でホワイトソックスのルイス・ロベルト・ジュニアに2戦連発の37号ホームランが出た。これでア・リーグ本塁打数トップで、手術を受けてシーズン終了した大谷翔平に7本差と迫った。
「前の試合で打った36号は、8月30日以来です。調子を落としていたため、『ホームラン王争いは大谷が逃げ切る』というのが大方の予想でした」(現地メディア)
ホワイトソックスの残り試合は10試合。10試合で7本差と数字的には厳しいが、ここに来て調子を上げているロベルトが“確変”に入る可能性もある。
ロベルトについて、興味深いデータがあった。初ホームランは2020年7月26日のツインズ戦、献上したのは前田健太投手だった。
「今春のWBCキューバ代表メンバーですが、『亡命組』でした。亡命した16年11月、すでにU-18大会などで活躍していたので、米国内の野球ニュースでは比較的大きく扱われました。ホワイトソックス傘下のマイナーで経験を積み、メジャー昇格を迎えた20年シーズン前、6年総額5000万ドル(約74億円/当時)で契約し直しました」(在米ライター)
ロベルトは「将来、5ツールプレーヤーになる」と期待されている。ミート力、長打力、走塁、守備、肩の強さ、その全てがトップクラスだという。
「体調を崩した時期もあり、また、性格的にムラがあるのか、守備でミスをする場面もあります。でも、メジャーデビューした年にいきなりゴールドグラブ賞に選ばれた好外野手です」(同)
今年26歳になったばかり。ホームラン数のキャリアハイは13本だった。ついに覚醒したかたちだが、来年以降も大谷とはライバル関係に発展していくのではないだろうか。
そういえば、今年6月のエンゼルス対ホワイトソックスの試合で、ロベルトが22号アーチを放っている。この時点で大谷の本塁打数は25本。エンゼルスの地元・アナハイムでの一戦だったのでブーイングも出たが、裏を返せば、エンゼルスファンも「大谷の本塁打王争いの好敵手」として認めていたわけだ。
ホワイトソックスの残り10試合は、打者・大谷の今後を占う期間ともなりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)