セ・リーグ投手部門のある分野で中日投手陣が上位を独占…。中日が8月20日の東京ヤクルト戦を落として4連敗、完封負けは今季18度目だ。
「ホームゲームか、ビジターかで見ると、『ビジターで12連敗』です」(名古屋在住記者)
「ビジターゲーム」で勝てないことについて、立浪和義監督も「バンテリンと違って点を取られてしまうということと、点が取れる打線ではないので、それが結果にはっきりとつながっている」と冷静な口調で語っていた。
だが、同日先発・柳裕也は気の毒な限りだ。8イニングを投げ、被安打5の1失点。前回登板では9回無安打無失点の快投を見せたが、勝ち星は付かなかった。直近5試合で振り返ってみても、味方打線の援護点ゼロが4試合、「援護点1」が最高だった。
「20日のヤクルト戦に敗れて9敗目(3勝)。防御率2.78の好成績なのに…」(前出・記者)
中日打線が「打てない」のは今に始まった話ではない。
“お気の毒投手”は柳だけではなかった。セ・リーグ投手部門の負け数1位は中日・涌井秀章の11敗、2位の9敗は柳と広島・大瀬良大地、4位の8敗が3人いて、中日の高橋宏斗と小笠原慎之介、ヤクルト・小川泰弘。中日の先発ローテーション投手4人が負け数のランキング上位を争っていたのだ。
109試合を消化した時点での中日の総得点311。12球団ワーストだ。「1試合平均」にすると、2.85点。つまり、先発投手は「6イニング3失点以内」のクオリティスタートをしても、「勝てない」というわけだ。
「柳は前回登板で9回無安打無失点でも、勝ち星はつきませんでした。『チームが勝ったから嬉しい』と言っていましたが、涌井などほかの先発投手たちを含め、オフの契約更改でモメるのでは?」(ベテラン記者)
好投しても報われない。敗戦数ランキングに名を連ねる彼らの集中力はいつ切れてもおかしくない。
(飯山満/スポーツライター)