「グローブを投げてファイティングポーズを取った。待ちなさい、あんたたち!野球をやってるんだ。ボクシングをやってるんじゃない」
8月13日放送のTBS系「サンデーモーニング」のスポーツコーナーで、MCの関口宏が興奮気味に伝えたのは8月5日(日本時間6日)のガーディアンズ・ホワイトソックス戦で勃発した乱闘劇。ガーディアンズのホセ・ラミレス内野手が二塁打を打ち、二塁ベースにヘッドスライディングしたところ、ベースに入ったホワイトソックスのティム・アンダーソンが強くタッチしたことをきっかけにエキサイト。関口は2人が殴り合うシーンに「今ストレートが入った」「これも入ったよ」と、さながらボクシング中継のように伝えていた。
VTRが終わり、感想を求められた元中日ドラゴンズ監督の落合博満氏は、「これがアメリカの野球ですよ」とキッパリ。関口が「アメリカの野球? いいの?」と尋ねると、落合氏は「これでいいんです。日本もこうならなきゃいけないはずなんだけども」と持論を述べた。
関口は「怒られますよ、日本は」「子供への教育が良くないってことになるんだよね」「(乱闘を)やらなくしたんでしょ」と指摘。落合氏は「仲良くなったんでしょ。選手同士が」と分析していたうえで、乱闘が始まった時には「みんな行かなきゃ罰金」「ブルペンからも全員出てきますよ」と付け加えた。
SNSでは《落合さんは暴力を肯定するのか》《日本も乱闘しなきゃいかんのか》《乱闘はダメでしょ》といった異論が噴出。その一方で《あれくらいやったほうがいい》《友達野球はWBCの弊害》と落合氏を支持する声も多く見られた。
「関口さんは教育上良くないという理由で、乱闘シーンを何度も流すことに苦言を呈していました。今回のメジャーで起きた乱闘のきっかけは塁上のプレーでしたが、もっとも多いのは死球や危険球。今年5月、DeNAとヤクルトの試合で、DeNAの主力3選手が死球を受けて、乱闘の一歩手前までいきました。また、くしくも番組が放送された13日、阪神の梅野選手がヤクルト戦で死球を受けて骨折。今季絶望と報道されました。なお、この試合では近本選手が今季7個目の死球を臀部に受けています。暴力を肯定する落合さんの発言は、ネット上でも賛否分かれましたが、ヤクルト投手陣に“痛い目”に遭わされたチームのファンからは『乱闘もやむなし』という声が出るのは当然かもしれません」(スポーツライター)
真剣勝負ゆえの乱闘は、野球の醍醐味のひとつと言えるかもしれないが、フェアプレーを期待したい。