ニューヨークヤンキースのゼネラルマネージャー、ブライアン・キャッシュマン氏の“大胆な行動”が「こんな一面もあったんだ」と、米国野球ファンの間で注目を集めている。
「キャッシュマンGMは米アリゾナ州のキャンプ施設に取り残されたマイナー選手たちをフォローしていました。施設近くの安いモーテルから動けずにいるマイナー選手たちを訪ね、食料を届けて回っています。選手達の相談にも乗っていて、その様子がSNSで公開されたんです。GMの差し入れを受けとった選手の中には、ヤンキース傘下外のマイナー選手もいたそうです」(米国人ライター)
キャッシュマンGMは米国野球ファンの間では“ヒール(悪役)”と位置づけられてきた。ヤンキースといえば、豊富な資金源を元手に他球団の看板選手をかき集めており、その陣頭指揮を執ってきたのがキャッシュマンGMだからだ。
マイナーの無名選手に寄り添った慈善活動は、「悪の帝国」とも呼ばれたヤンキースの悪評も一変させるだろう。しかし、その一方で、“先の先まで”見越して動いている有名人もいた。昨年オフ、総額10億ドル以上の大型契約をまとめ、自身もそれに見合う高額報酬を受け取ったとされる“スーパー代理人”のスコット・ボラス氏だ。
ボラス氏は医療従事者を応援する基金を立ち上げ、そのPR映像にみずから出演するなど救済活動にも積極的だが、「ポストシーズン・マッチを12月26日までやればいい」などと、ペナントレース再開後の興行計画もブチまけているのだ。
「144試合に縮小した計画と、12月26日まで続ける2案をメジャーリーグ機構に提出しました。12月は気候が温暖なカリフォルニアでやればいいなど、きちんとした根拠のある提案です。しかし、今のところ選手のモチベーションは下がり続けており、そこまでは考えが及ばないようです」(特派記者)
今は興行の再建案よりも、収入の少ないマイナー選手のパン代を心配すべきなのかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)