メジャー挑戦で「英語を勉強」藤浪晋太郎の的外れ?「スペイン語かポルトガル語を学ぶべき」

 藤浪晋太郎は「米球界挑戦の準備」ができていない!?

 11月26日、甲子園球場で「阪神ファン感謝デー2022」が開催された。そこにはポスティングシステムで米球界挑戦を目指す藤浪晋太郎の姿も見られた。虎ファンは「最後のタテジマ」に熱いエールを送っていたが、当の藤浪は淡々としていた。

「全然、全く交渉も始まってないです。ポスティングの正式な申請もしていないので」

 報道陣にそう説明した藤浪。しかし、前日、鳴尾浜の二軍施設での練習中にはこうも語っていた。

「(英語は)聞き取れるくらいにはしたい。ただ、こっちで勉強するのと、実際に向こうでやるのとは(効率が)違うと思う」

 在阪記者も、藤浪の渡米についてこう語る。

「藤浪はスプリングキャンプの招待選手や、マイナー契約でも渡米するつもり」

 ただ、メジャー契約でない限り、専属通訳などつかず、練習メニュー表を見て、何番のグランドに何時までに行き、どんな練習をするのかなど、自身で把握しなければならない。当然、藤浪の言うように英語力が必要となるが、実は、スプリングキャンプの招待選手、マイナー契約組の投手にとって本当に必要なのは「英語」ではないのだ。

「40人枠のメジャー契約が約束されているのなら、カタコトの英語しかできなくても周囲がフォローしてくれますが、藤浪は違う。必要なのは、スペイン語かポルトガル語のヒアリング能力です。メジャーリーグには中南米出身の捕手が多く、彼らは英語も話しますが、開幕メジャーの能力を持っているとわからせるには、まず、味方捕手陣に『必要な投手だ』と認めてもらわなければなりません。配球のことなど、細かいニュアンスのやり取りができたほうが良く、そのためには彼らの母国語でやりとりするほうが何倍も有利なのです」(米国人ライター)

 また、藤浪が明かしているように、いまだにポスティングシステムの正式な申請は行っていないという。これはなぜなのか。

「代理人のスコット・ボラス氏の戦略でしょう。交渉はビッグネームのFA選手からスタートします。米国では無名に近い藤浪は、スプリングキャンプの始まるギリギリのところで決まるかどうかです。45日間と定められた交渉日程を有効に使うため、12月に入ってから手続きに入るのでしょう。その場合、時間切れで交渉終了、もあり得ますが」(球界関係者)

 藤浪は、昨年の契約更改の席で球団に米球界行きの希望を伝えたそうだが、今の段階で初歩的な英会話の勉強を始めた、などと言っているようでは、準備不足は否めないのである。

(スポーツライター・飯山満)

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