「関西勢同士の日本シリーズ」なら59年ぶり!/2023年下半期パーフェクト大予測〈野球〉

 侍ジャパンのWBC優勝もあり、今年の上半期は例年に増して野球人気が盛り上がった。夏以降もセ・パの優勝争いや、米大リーグで大活躍する大谷翔平(29)の一投一打など見どころは満載。下半期も野球から目が離せそうにない。

 今年のプロ野球は、セ・パ共に首位争いが熾烈でファンにはこたえられない展開となっている。まずはセ・リーグ。リーグ2連覇中のヤクルトが5位(7月6日時点。以下数字はすべて同じ)に低迷し、代わって阪神とDeNAが激しい首位争いを演じている。野球解説者の江本孟紀氏は今後の展開について、

「阪神は岡田彰布新監督(65)になってチームに緊張感が出てきた。僕の持論なのですが、監督は〝いい兄貴〟ではダメ。その点、岡田は年寄りらしく1つや2つ勝ってもはしゃがず落ち着いている。選手の好き嫌いもはっきりしていますが、自分のスタイルを貫くという点でいえば悪いことではない。後半も阪神とDeNAのマッチレースになるでしょうが、体質的にゲーム運びがヘタなDeNA相手なら、阪神の方が少し有利かもしれませんね」

 一方のパ・リーグも、リーグ3連覇を目指すオリックスとソフトバンクが日替わりで首位を奪い合うマッチレースを演じている。

「両チームとも投手力が安定しているので大きく崩れることはないでしょう。ただ、ソフトバンクは日本シリーズ4連覇をしていた17年〜20年頃に比べると、本塁打が減ってこぢんまりした野球になっている。一騎打ちなら爆発力のあるオリックスに分があるかもしれません」(前出・江本氏)

 59年ぶりとなる「関西勢同士の日本シリーズ」が実現するかもしれない。

 一方、エンゼルスの大谷は14日時点で現在32本塁打。リーグ2位のルイス・ロベルト(25)=ホワイトソックス=に6本差をつけており、「日本人初の本塁打王」という偉業も現実味を帯びてきた。

 大リーグ事情に詳しいスポーツジャーナリストの友成那智氏が語る。

「後半の71試合中、大谷の出場は67試合くらいだとみています。昨年は終盤に疲労が出て、最後の22試合がノーアーチでした。その轍を踏まぬよう、今年は首脳陣も適度に休養を取らせるでしょう。67試合だと260打席くらい。前半戦の約10打数で1本というペースなら、57本までいくことになる。本塁打王争いのライバルたちの実績や実力を考えれば、大谷がタイトルを獲得する可能性は、かなり高いと言えます」

 本塁打だけではない。今季の大谷は、主要打撃部門のすべてで上位につけている。特に現在の大リーグで最も重視されているOPS(出塁率と長打率を足し合わせた評価指標)は2位以下を大きく引き離しており、1位のままシーズンを終えることは確実だ。

「注目は6位につけている打率と3位の出塁率。今季のア・リーグは低打率での首位打者争いになっており、3割1分台で決まりそうです。現在3割前後をキープしている大谷にもチャンスは十分にある。また、両部門ともライバルが右打者ばかりで内野安打が稼ぎにくい点も大谷にとっては有利です。

 問題は打点。走者のいない場面で回ってくることが多い2番打者であることがネックです。いずれにせよ首位打者、本塁打、打点、OPSを含めて5冠王の可能性があることは間違いなく、後半戦も目が離せないですね」(友成氏)

 二刀流で大リーグの歴史を塗り変えてきた大谷に、今年はさらなる勲章が加わりそうだ。

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