日本企業の“パクリのパクリ”「三番煎じ」チェーン店が東南アジアで大増殖のカオス

 運営は中国企業なのに、ユニクロとダイソーと無印良品を足して3で割ったような日本っぽさを前面に押し出し、今や中国を中心に世界で5000店舗以上を展開する一大雑貨チェーンとなった「名創優品(メイソウ)」。

 ところが、そんな世界一の雑貨チェーンを模倣したような「パクリのパクリチェーン」とでも言えそうな店も、東南アジアや中国を中心に乱立している。しかも、いずれも売り上げは絶好調だという。

「例えば、『YUBISO(ユビソオ)』はマレーシアの大手雑貨チェーンで、ロゴデザインはユニクロやそれを真似たようなメイソウとほぼ同じ。二番煎じどころか『三番煎じ』と言われていますが、現地では日本のショップだと認識されているようです。中東のドバイやバーレン、隣国タイにも進出していますね」(流通ジャーナリスト)

 以前は商品パッケージに記載されている会社の住所が東京の六本木であったり、創業者と称する日本人男性の写真をホームページにアップしていた。それはメイソウがかつて行っていた「手法」に酷似しており、後発の同社が日本企業だと誤認させるために装った可能性が高いと言われている。

 他にもアジアには多くの「パクリのパクリ系雑貨チェーン」が氾濫しており、日本では考えられないカオスな状況となっている。

「とはいえ、商標権的にはグレーゾーン。丸パクリしているわけではなく、いろいろな店の要素を少しずつ取り入れていることが話をややこしくしています。それに、彼らが真似たと思われるのは、日本の3チェーンではなくメイソウ。現状、日本企業が何もアクションを起こしていないのは、訴えたところで徒労に終わる公算が高いからでしょう」(流通ジャーナリスト)

 ただし、販売する商品のパクリとなると話は違う。中国のあるファストファッションチェーンは、無印良品だけでなくルイ・ヴィトンやラルフローレンなどの高級ブランドの商品を模倣したとして多くの訴訟を抱える。

「それでも商品なら店頭から回収すれば済みますし、賠償金や和解金が発生したとしても、その額は彼らの儲けに比べればそれほど痛手とはならないようです。裏を返せばそれだけ強気な戦略とも言えます」(前出・ジャーナリスト)

 商魂たくましいと言うべきか、倫理観の欠如と言うべきか…。

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