阪神のドラフト1位ルーキー・森下翔太外野手(中大)が一軍に合流した。その前日、岡田彰布監督が、15日の楽天イーグルスとの練習試合での起用と一軍帯同を明言していたのだが、この大型ルーキーの存在がチームを変えてしまいそうなのだ。
「よほどのことがない限り、森下は『開幕・右翼』で使われるでしょう。岡田監督は、かつて鳥谷敬氏を抜てきした時のように、一軍の実戦の中で鍛えていくことになるはずです」(在阪メディア)
森下といえば、新人体力測定で張り切りすぎたのか、右足の肉離れでキャンプは二軍スタートとなっていた。「無理をさせない」プランもあったそうだが、岡田監督が森下の一軍合流を急いだのにはワケがあった。
「11日の紅白戦で、スタメン・ライトで出場したミエセスが落球するミスをしました。当初、岡田監督はノイジーと同じレフトを守らせるつもりでしたが、本人は『ライトが本職なんだ。ライトを守らせてくれ』と志願していたんです。キャンプ序盤は外野から内野に返球する中継プレーでも、肩の強そうなところは見られませんでした」(球界関係者)
新人の開幕スタメンは特に珍しくはない。では、なぜ森下が「チームを変える」と言われているのか? その理由は前述した右足肉離れにあった。
「阪神内で『見直すべき』の声が出たんです。新人選手の体力測定をわざわざやり直す必要があるのか、と」(同前)
「新人選手の体力測定」には筋肉量、体脂肪率など医学的な検査もある。しかし、森下の肉離れは30m走の測定で痛めたものだった。タイムがイマイチだったため、測定者が「もう1回走るか?」と聞き、張り切って走り直したときにやってしまったのだ。
「スカウトが遠投の距離や短距離走のタイムをチェックしていますが、いくつかの項目は今後整理されるかもしれませんね」(同前)
前出・在阪メディア記者は森下についてこう言う。
「打席に立つと“雰囲気”がありますよね。鳥谷氏同様、1年目から使いたくなるのも分かる気がします」
森下が期待通りの活躍を見せれば、新人の体力測定のシステムに“変革”が起きるかもしれない。
(飯山満/スポーツライター)