岡田監督激怒「高津、おらんかったよな」で田尾安志が比較した「人格者指揮官」

 阪神・岡田彰布監督が、我慢ならずと怒りをぶちまけた。
 
 9月3日、神宮球場で行われた、ヤクルト対阪神。7対0の阪神リードで迎えた9回表、阪神・近本光司がヤクルト・山本大貴投手から右わき腹に死球を食らい、交代したからだ。
 
 近本は7月に同じ個所への死球で骨折しており、先月の同カードでは梅野隆太郎捕手が左手首にぶつけられ骨折、今季絶望に追い込まれていた。
 
 試合には勝利したが、岡田監督は憮然としたままだった。
 
「情けないのう。2年連続優勝したチームやしのう。そういうチームなんやろ。(試合後)おらんかったよな、高津、ベンチに。探したけど」

 試合後、ヤクルト・高津臣吾監督は「あれはちょっと申し訳なかった。もちろん、ぶつけようと思ってぶつけているわけではなく、山本の持ち球がシュートだったのでそこに行ってしまった」と謝意を示したと言うが…。
 
 この一件に関して、元楽天監督の野球解説者・田尾安志氏は、自身のYouTubeチャンネルでこのように話した。
 
「岡田監督がカチンと来たのは、高津監督の態度だったんではないでしょうかね。ゲームが終わった時点で、高津監督がタイガースベンチに行って謝りを入れれば、ここまで岡田監督もカリカリしなかったんではないか。岡田監督にすれば、年下の監督が何も言わずにベンチを去るということにカチンときたと」

 そして田尾氏は、こう続けたのである。

「王(貞治)さんが今回の高津監督の立場だったら、ゲーム終わったら『悪かったな』ということで、お詫びに行ったんじゃないかな」

 王氏の高い人間性はプロ野球界に浸透している。名将・野村克也氏は「王は実力だけでなく、人格も超一流」と絶賛。またイチロー氏には「偉大な記録を作った人はたくさんいますけど、偉大な人間はそうはいない」と言わしめている。
 
「絶対大丈夫!」と選手を鼓舞し、2年連続でペナント優勝、21年には20年ぶりの日本一に導いた「言葉力」には定評ある高津監督だが、王氏の人格者レベルにはまだ遠く及ばないようだ。

(所ひで/ユーチューブライター)

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