岡田阪神が早くも“補強第一弾”だ。10月18日、斎藤友貴哉投手、江越大賀外野手を放出し、日本ハムから渡辺諒、高浜祐仁の両内野手を補強する交換トレードを成立させた。これで、岡田彰布監督のドラフト戦略が見えてきた。
「渡辺、高浜ともに右打ちです。岡田監督は二遊間が守れる右バッターの不足を嘆いていましたからね…」(在阪記者)
岡田監督はテレビ番組に引っ張りダコ。前日オンエアされたCSスカイA特番で「ドラフト1位」について質問を受けたが、明言は避けた。右打ちの外野手も補強ポイントだとする話の流れのなかでインタビュアーが、
「高松商の浅野翔吾クンは?」
と、核心をつく質問をすると、岡田監督は意味シンなコメントを返した。
「でも、高校生やからね」——。
右打ちの外野手の補強は急務だから、「浅野選手は獲らない」と言う意味か? いや、「高校生だから育成に時間が掛かる。浅野選手を獲っても即、補強には繋がらない」と言いたかったのか、どちらにも解釈できるのだ。
岡田監督はそれ以上言わなかった。しかし、今回の渡辺、高浜のトレード補強で右バッターの不足は補えたので、「浅野の1位入札の抽選クジにトライできる」と捉える向きもある。
また同日、岡田監督は地上波ローカル局の夕方のニュース番組で、ドラフトのクジ引きという仮説の質問に対し、これまでのクジ運のなさを自虐的に明かし、
「1巡目(の抽選)ではボクは当たったことないんよ〜。編成の上の者に言ったんよね。スカウト部長というか、上の者に引けと」
と、スタジオを笑わせていた。
「上の者に引け」と言ったのなら、1位重複を前提に話し合っていることになるが‥‥。
「阪神は高校出の野手を育てるのがうまくない。『成功例は掛布雅之氏まで遡る』なんてジョークもあるくらい(笑)。右打ちの外野手は大学生、1位は左投手の見方も消えていません」(前出・在阪記者)
今年のドラフトを「高校生野手の育成ベタ」の悪いイメージを払拭する機会とするか、それとも‥‥。岡田監督の真意が見えない。マスコミはドラフト会議当日まで振り回されそうだ。
(スポーツライター・飯山満)