値上げの波は食品だけにあらず。スポーツ配信チャンネルのDAZNが2月14日から現行の料金プランを「DAZN Standard」と名称変更、月額3000円から3700円(ともに税込)に値上げすることを発表した。
これにユーザーは愕然としている。というのも、昨年2月に1925円から3000円へと大幅値上げしたばかり。この時、タレントの伊集院光は「DAZNすげえな、えげつないや」「他社をやっつけて、独占状態に近くなったら値上げは、もう王道のやり方なのだろう」とツイートしていたが、それから1年で当初の価格からほぼ倍増したのだから驚くのも無理はない。
「DAZN for docomoなど契約形態によっては、既存ユーザーの価格据え置きなど優遇措置もあります。でも、それ以外のユーザーは値上げを受け入れるかやめるしかない。特にDAZNはJリーグをはじめ、フランス、ポルトガル、ベルギーといったマイナーなサッカーリーグまで見られることから、国内ユーザーにはサッカーファンが圧倒的に多いんです。今回の値上げに悲鳴をあげているのも、そんなサッカーファンたちです」(スポーツライター)
サッカー絡みでいえば、元日本代表の本田圭佑が730円のラーメンの美味しさに感動するあまり、「次ラーメン食うときは2000円支払います」とツイッターに投稿。にわかにラーメン価格論争に発展したが、それもあり、今回のDAZN値上げに関してサッカーファンからは「ラーメンに2000円出せる本田さんしか無理」といった恨み節めいた声もあがっている。
「DAZN側はさらなるコンテンツの充実とこれまでの投資を回収するためという言い分ですが、ユーザーからは『もうDAZNはマニアックなサッカーファンしか契約しなさそう』『3000円でも限界だったのに3700円はキツい』『せっかくW杯で盛り上がったのに新規ファンは増えないのでは』など、悲観的な意見が聞こえます」(前出・スポーツライター)
それでも「3700円」という価格は、サッカーが国民的スポーツであるドイツやイタリアのDAZN月額料金よりはまだ安価だ(昨年時点で約3900円)。つまり、今回の値上げでようやく“世界標準”に近づいたとも言えそうだが‥‥。
生活必需品が軒並み高騰する折から、趣味のサッカー観戦ぐらいこれまで通りの料金で楽しみたい、というのがファンの偽らざる気持ちかも。
(飯野さつき)