10月は4月を上回る2024年最大の値上げラッシュ。帝国データバンクによると、主要食品メーカー195社の商品のうち、10月から値上げされた飲食料品は2911品目。加えて、電気ガスの公共料金、郵便料金、動画サブスクのNetflixなども値上げとなったが、その一方で10月から値下げとなった商品もある。
吉野家、すき家、松屋の牛丼チェーンの大手3社は、15日(※すき家のみ16日)までの期間限定ながら値下げキャンペーンを実施。吉野家以外は電子クーポンの利用が必要だったが、3社いずれも割引後の牛丼並盛が300円台で提供された。
「久々に牛丼を食べたという人も多く、キャンペーンの再度の実施を望む声もあります。この価格での常時提供は厳しいでしょうけど、定期的に実施する可能性は大いにあると思います」(大手紙経済部記者)
また、ホームセンター大手のコメリの759品目をはじめ、イトーヨーカドーは100品目、イオンも19品目と一斉値下げに踏み切っている。しかも、こちらは一時的なものではなく、値下げされた価格での据え置きだ。
「全国展開する大手チェーンは、以前からプライベートブランド(PB)商品に力を入れています。もともと各メーカーの類似商品より安く販売されていますが、他のチェーンもこの流れに追随し、一部のPB商品の値下げを行うかもしれません」(同)
これ以外には運賃値上げの一途を辿る公共交通機関に一石を投じそうなのがJR東日本。この10月からオフピーク定期券の割引率が約10%から約15%に引き上げられているのだ。
「平日朝のラッシュ時には使えませんが、交通費削減になるため、この定期を活用したフレックスタイム出勤を奨励している企業もあります。割引率が拡大したことで、そうした企業がさらに増えるはずです」(同)
どんな商品・サービスでも値下げは大歓迎。コスト高で苦しい状況なのは承知の上だが、この流れを止めないでほしいものだ。