物価高による買い控えで「低栄養シニア」が急増、“高齢痩せ”はこんなに危険!

 普段、健康に良い食事を心がけている人は多いが、一方、高齢者の間では必要な栄養が不足するケースが増加。「低栄養シニア」として問題視されている。

「低栄養シニアとはきちんと栄養素が取れていない、食事が取れていない高齢者のことですが、低栄養の状態が続くと外出を控えるようになり、筋力が低下し始める。そうなると、さらに体を動かさなくなり、食事量も減り栄養が偏って持病は悪化、体力は低下するという悪循環に陥ってしまいます」(健康ライター)

 低栄養になると、ケガが治りにくくなる、合併症の増加、死亡率が高くなるなどのリスクがあるそうだが、「低栄養シニア」の要因の一つとなっているのが物価高による買い控えだ。

 11月の食品値上げは200品目を超え、去年139品目から今年282品と約2倍に増加している。

「肉や魚、さらに野菜や果物も高くなり、買い控えでタンパク質やビタミン・ミネラルが不足する。一方でレトルト食品、インスタント麺が増え、炭水化物中心の食事になってしまう傾向があります」(同)

 では、低栄養を予防・改善するにはどうすればいいか。

「合言葉は『さあ、にぎやか(に)いただく』です。健康に必要な10食品それぞれの頭の1文字を取っていて、さかな、あぶら、にく、ぎゅうにゅう、やさい、かいそう、いも、たまご、だいず、くだもの、となっています。1日3食の中でこのうち7品目以上摂ることが理想とされています」(同)

 シニア世代は少食になるのが自然で、自分が低栄養だと気づかない人が多いという。最近、体重が減ったり、転んだりつまずきやすくなった人はちょっと意識してみていただきたい。

(鈴木十朗)

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