世界中で性感染症が猛威!フランスでは避妊グッズが無料に

 新型コロナの陰に隠れがちだが、現在世界的に猛威を振るっている性感染症。世界保健機関(WHO)の推計によると、クラミジアは年間1億3100万人、淋病は7800万人、梅毒も560万人もの感染者を出し、日本でも今年は例年の1.5倍のペースで梅毒の感染者が急増し、保健所などが注意を呼びかけている。
 
 通常は抗生物質で治療するが、今年8月30日にWHOが発表したガイドラインによれば、クラミジア、淋病、梅毒すべてに薬剤耐性を持つ菌が検出され、治療が長期化するケースが増加。予防と早期治療の重要性を呼びかけている。
 
 そうした中、フランスのマクロン大統領は8日、性感染症対策のため、来年1月1日からの避妊用具の無料化を発表。対象は18〜25歳の若者で、国内の薬局で入手できるという。

「特に2010年代に入ってから3大性感染症が急増しており、フランス保健省の統計では12〜16年のわずか4年で感染者数が3倍に増えたとのデータもあります。さらに新型コロナのように変異株も登場しており、18年には英国で治療薬がまったく効かない『スーパー淋病(多剤耐性淋病株)』が確認され、世界各国に拡大しつつあるのです」(パリ在住ライター)

 実は、フランス政府は18年に医師や妊娠・出産のサポートを行う助産師の処方箋があれば、薬局での避妊グッズの購入費用を還付する制度を導入。ただし、還付対象となる用具は指定された一部商品のみで、国民からの評判はあまり良くなかった。

「高品質でフランス人に人気のオカモトや相模ゴムといった日本メーカー、海外大手メーカーのデュレックスやマニックスの製品はいずれも対象外。さらに還付の手続きも面倒で評判が悪かったんです。今回は薬局に行けばタダで手に入るので利用者は増えると思いますが、問題は無料提供される避妊用具の品質。バラマキ用なので『どうせ期待できっこない』と懸念する声も多いです」(同)

 いくら無料とはいえ、やはり装着時の使用感は重要かも。

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