「2分以内にリアルを投稿」フランス発のSNS「BeReal.」人気の理由とリスク

 フランス発のSNS「BeReal.(ビーリアル)」が、Z世代を中心に人気を集めている。BeReal.はインスタグラムやTikTokなどすでに多くの人に浸透しているSNSとは異なり、「制限だらけ」のサービスが人気になっているという。一体どのようなシステムなのか。

「仕様がこれまでのSNSとは大きく異なっています。まず1日1回、アプリから通知が送られてくるのですが、時間は一切決まっていません。その通知が来たら『2分以内』にスマホのカメラで撮影すると、1日1回の投稿が3回に増えます。ただしスマホに保存してある写真や動画は投稿できないため、その場のリアルが求められるのです」(携帯ジャーナリスト)

 最近の若者世代はGPSの位置情報システムを利用し、友達同士で居場所を共有することも珍しくない。しかし、いくらリアルを共有するからといって、通知が送られてきた時に風呂に入っていたらどうするのだろうか。また2分を過ぎても投稿することはできるが、遅れた時刻が投稿に反映されるため、人によっては「日和った」と判断されかねないという。等身大の自分を見せるのは、それなりのリスクが伴いそうだが…。先のジャーナリストが続ける。

「いつ通知が来るか分からないため、中にはトイレの個室の壁を撮影して投稿している高校生もおり、すでに一部の学校の保護者会で問題になっています。判断力の未熟な子どもが焦って撮影し、個人情報がダダ漏れするリスクもあるでしょうね。また、スマホを手放すことができないため、スマホ依存がさらに加速する可能性も否定出来ません。使い方については、あらかじめ家族の間でしっかり話し合いをして、子どもが無用なトラブルに巻き込まれないように注意したいですね」

 BeReal.はインスタ映えなどの「盛り」をあえて排除することで若者世代の心を掴んでいる。しかし一歩使い方を間違えれば、なんらかのトラブルに巻き込まれる可能性もある。「写してはいけないものは撮影しない」という最低限のルールを徹底する必要があるだろう。

(ケン高田)

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