最近、「ランチの定食が1000円に値上がり!」「つけ麺の大盛無料サービスがなくなった!」など、ゲンナリした経験はないだろうか。庶民の生活を締めつける「インフレ」の到来で、安月給のオヤジたちは危機に瀕している。そこでムダな出費を無理なく減らし、歴史的インフレ時代を乗り切る術を指南する!
今年10月、総務省統計局が測定する「消費者物価指数」が1年前に比べて3.6%上昇し、82年の2月以来40年8カ月ぶりに高い水準を記録。国民がヒシヒシと感じていたインフレの兆候が、はっきり数字として示されたのだ。
インフレとは、正しくは「インフレーション」。モノやサービスの価格が長期間にわたり継続して上昇していく現象である。
我がニッポンでも、ここ最近は食料品が軒並み値上がり。光熱費、ガソリンなども含め、生活に直結する値上げラッシュは現在も継続中である。
家計再生コンサルタントの横山光昭氏が、現在、日本を襲っているインフレについて解説する。
「要因はいくつかありますが、まずはロシア・ウクライナ戦争の影響による物資不足があります。また、円安ドル高の影響も非常に大きい。アメリカでは物価が上がってもそれに比例して収入も上がっている。金融引き締めを徐々に縮小することでインフレ状態が解消傾向にありますが、日本の場合は給料が上がらないのにモノが高くなる、という悪循環で、解決の糸口がなかなか見えない状況です」
給料のベースアップを前倒ししたり、特別支給金を出すなどする「インフレ手当」を実施する企業もあるが、帝国データバンクが11月に行った調査では、回答があった1248社のうち、手当を支給した企業は予定も含めて全体の12.3%どまり。忍耐を強いられる国民が圧倒的多数を占めているのが現状だ。この状況下で、我々ができることは何なのか。横山氏が続ける。
「どんな状況でも私たちができることは大きく分けて3つです。『収入を上げる』『支出をコントロールする』『すぐに使わないお金を運用する』。ですが、給料が上がるかどうかは個人ではどうにもできないでしょうし、すぐ取りかかれるという点で、まずは支出コントロールに取りかかること。その結果、残せたお金やすぐに使わない資産を運用できるといいでしょう」
ただし、今すぐストイックな生活を送れ、と言われたところで、無理難題にもほどがある。そこで今回、アナログなオヤジ世代でも無理なくできるインフレ時代の「サバイバル生活防衛術」を指南しよう。