インフレ時代を乗り切るために重要なこととして、横山氏は「携帯電話や各種保険などの旧式プランの放置」を指摘する。
「中高年にありがちなんですが、今困っていない、という状況で、何年も契約時のプランのまま高い料金を払い続けている方は非常に多い。携帯で言えば個人の利用状況によって、povoやahamoなどの、各キャリアの廉価版料金プランに変えるだけで、月額5000円以上も節約できるケースが山ほどあります」
年間数万円クラスの節約とあらば、少々面倒でも、一度契約内容を確認したほうがよさそうだ。
光熱費についても同様だ。電気、ガス代が値上げされただけに、プランの見直しは必須だ。ただしこれからの季節、暖房を使わないわけにはいかない。賢く節約するためにはどうすればいいのか。丸山氏が指南する。
「エアコンは必ずフィルターを掃除しておきましょう。暖房の効率が大きく変わります。カーテンはなるべく厚めに。薄かったり丈や幅が短いと、見えている部分の窓ガラスからすぐに暖気が逃げます。手元に適当なカーテンがなければ、梱包材のプチプチ(気泡緩衝材)を窓ガラスに貼り付けておくと、ちょうどいい断熱材になります」
暖房器具別で言うと、石油ストーブは原油高騰で今シーズンは節約効果が期待できないが、ピンポイントで温まるコタツはコスパの面で評価できる。
「今は1人用のコタツもありますし、地域や住環境によってはエアコンなしで冬を越すこともできると思います。あとは部屋の湿度を40〜60%目安に上げると、体感温度が上がります。お風呂に入ったあと浴室のドアを全開にしておくと、部屋の湿度が上がって加湿器いらずですね。浴室も乾燥するので一石二鳥です」(丸山氏)
ちなみに冬のシャワー利用はNG。体が温まらない上に、15分の使用で浴槽1杯分の水を使用することになる。ならばお湯を張って、体の芯から温まるべきなのだ。
また、資源エネルギー庁の試算では、エアコンの温度は1度下げるだけで一冬あたり約1650円の節約になる。仮に例年のエアコン設定温度が28度だとして同庁が推奨する20度まで下げれば、約1万3200円も節約可能なのだ。
「だからといって、無理をする必要はないんです。いつもより1〜2割抑えるだけで十分、インフレに対抗できる生活が送れると思いますよ」(横山氏)
チリも積もれば何とやら。少し意識を変えて懐を温かくし、インフレの冬を乗り切ろうではないか。
*週刊アサヒ芸能12月11日号掲載