アウトドアブーム終焉がワークマンを直撃「価格据え置き」撤廃でよぎるスノーピーク“99.9%減益”の悪夢

 作業服やアウトドアウェアなどを販売するワークマンは5月7日、定番商品を含むプライベートブランド(PB)の一部商品を値上げすると発表した。

 ワークマンによると、円安の長期化に伴い仕入れ価格が高騰していることから、一部商品の値上げを決断したという。まずは今年9月までに定番PB商品を27品、24年秋冬シーズンの商品を少なくとも14商品、25年春夏商品も値上げを検討していくとのこと。2022年に「価格据え置き宣言」を謳いこれまで継続してきたが、ついに断念となった。

 今回の値上げは、円安の他に業績に急ブレーキが掛かったことも影響しているとみられる。7日に発表された24年3月期通期(23年4月~24年3月)の本業の儲けを示す営業利益は前期比4%減の231億円となり、2期連続の減益となっている。特に、これまでワークマンの成長を牽引してきた「#ワークマン女子」の既存店売上高が前期比11.1%減と大幅に落ち込んでいることが厳しい状況を如実に表している。

「ワークマンはコロナ禍のアウトドアブームを追い風に急成長してきてましたが、コロナの5類移行によって状況が一変しました。国内アウトドアブランドの『スノーピーク』はブームの終焉により純利益が99.9%減少して上場廃止を決めましたが、ワークマンもここにきての値上げは経営に大きな打撃を与えかねません。今後は子供服や定番の肌着などに注力していくといいますが、もしここがうまくいかなかった場合はしばらく冬の時代がやって来る可能性もあります」(経済ジャーナリスト)

 ワークマンにとって大きな正念場の年となりそうだ。

(小林洋三)

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