12月2日より従来の健康保険証の新規発行が終了となり、以降は健康保険証を登録したマイナンバーカード(マイナ保険証)への移行が進むと見られているが、新しいシステムに不安を抱く人は少なくない。11月27日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」では改めて変更点を解説したものの、コメンテーターの発言に《高齢者をナメてる》《いくらなんでもバカにしすぎ》などと批判が殺到している。
番組で取り上げたマイナ保険証の利用率は10月時点でわずか15%台だった。元テレビ朝日社員の玉川徹氏は「保険証の廃止っていうのが、いかに政策として、思いやりがなくて、いわゆる弱者と言われる人たちへの配慮がない、乱暴な政策かっていうのをずっと言い続けているんですね」として、「これからたぶんトラブルは増えていく」と批判。さらに玉川氏は、政府が主張する「リアルタイムの情報共有」についても疑問を呈し、次のように訴えた。
「お年寄りなんかもね、顔認証っていうのがレベルが設定がなかなか難しくて、顔認証のレベルをものすごく厳しくするか、ゆるくするか。ゆるくしたら誰でも通れちゃうし、厳しくすると認識されないってことが出てくる。すると『暗証番号で』って話になるんですけど、お年寄りがですね、暗証番号覚えてなかったり、うろ覚えで、たとえば3回間違っちゃうと、もう使えなくなる。使えなくなったら、窓口行ってもう1回それやり直さなきゃいけない。そんなことを80代70代のお年寄りにさせるんですか」
玉川氏は25年3月から実施されるマイナンバーカードと運転免許証の一体化に触れて、「運転免許証はマイナ免許証と従来の免許証、共存なんですよ。なんでそれにしないんですか? トラブルある間は両方選べるようにして両方使えるようにしておけばこんな話1個もないんですよ」と主張していたが、「高齢者は暗証番号を覚えられない」というくだりについて《4ケタの番号を覚えてないのはヤバいだろ》《お年寄りだってATMでお金おろせるぞ》《これは高齢者をバカにした発言》といったリアクションが寄せられていた。
「番組ではマイナ保険証を持っている人と持っていない人、そして持っていない人の中にもマイナカードを持っている人と持っていない人がいることを解説しようとした際、羽鳥アナが珍しく混乱して『あ~』といら立ちを見せる一幕も…。スタジオが混乱する中、玉川氏は河野太郎前デジタル大臣の名前を出して、『こうなってんだよ!河野さんが決めたことで!』と批判していましたが、そもそも4ケタの暗証番号が覚えられなければキャッシュカードでATMから現金を引き出すこともできません。要介護の認知症患者ならともかく、高齢者が4ケタの数字を覚えられないかのような発言は印象操作と受け取られても仕方ないかもしれません」(メディア誌ライター)
国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している人の保険証は、来年7月もしくは8月に有効期限を迎える。医療現場で混乱が起きないことを祈るばかりだ。