大和田伸也「アパレルメーカーは処分まで責任をもって」/ガタガタ言わせろ!

 温厚な人柄に見られがちですが、実は日々、世界情勢などに怒りを覚えている大和田です(笑)。

 つい最近、「ガタガタ言わせてほしい」と思ったのは、地球温暖化について。このまま何の対策もしないと、21世紀末の東京は1年の3割近く、年間約103日が真夏日になると言われています。温暖化は東京だけじゃなく、地球規模で何とかしていかなければならない問題だよね。

 あくまでも個人的な意見を言わせてもらうと、地球温暖化防止に真っ先に協力してもらいたいのがアパレルメーカー。今は安くて洒落たデザインの洋服がどこでも販売されていて、気軽に買える。だからこそ次々と新商品を購入して、不要になったら簡単に使い捨てて、新しい洋服を買い直す。

 昭和の頃みたいに、オーダーメイドで仕立てた洋服を何十年もお直ししながら、大切に着続けたほうがいいとは言わない。今は流行り廃りが目まぐるしく変わる時代だから。

 ただね、人々が捨てた洋服はどう処理されているかというと、どこかで燃やしていると思うんですよ。発展途上国なんかに寄付をしないかぎり。洋服を焼却すると温室効果ガスの一種である二酸化炭素が放出されて、大気が温まる。そして、温室効果ガスの濃度が高まると地上の温度が上昇する。洋服を捨てるだけで、地球温暖化への悪循環につながっている気がしてならない。

 だからこそアパレルメーカーには、もっと責任感を持って販売してもらいたいんだよね。販売ノルマを達成して終わり、ではなく、焼却しないで処分できる方法を、メーカーごとに発表してもらいたいな、と。

 コロナ禍でアパレルが大打撃を受けたことを承知の上で言わせてもらうと、不要になった洋服を有償で引き取るとか。一着10円とか、少額でいいんだよ。例えばもう着ない洋服が20着あったとする。持ち運ぼうとすると、まあまあの重さになるよ。持っていってもお金にならないとしたら、ゴミとして捨てちゃうよね。人の心理はそういうもの。お金になるとわかれば持っていくし、引き取ってくれたお店で換金して使えるとなれば、お互いにWin-Winになるんじゃないのかな。可能であれば恒常的に行ってくれるとうれしい。

大和田伸也(おおわだ・しんや)俳優。1947年10月25日生まれ、福井県出身。21年、NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ではヒロイン・安子(上白石萌音)の祖父・橘杵太郎役を演じる。ドラマ内の台詞「美味しゅうなれ!」も話題に。

エンタメ