来年秋の総裁選で「ポスト岸田」の座を射止めるのは誰か。最も意欲をのぞかせているのが、茂木敏充幹事長(67)だ。
「次の総裁選には必ず出馬すると周囲に宣言しています。菅氏が安倍元総理から引き継いだような禅譲方式が頭にあるようで、岸田総理が〝自滅〟するのを待っている状態。とはいえ、政権が潰れては要職に就く自分もノーダメージというわけにはいかない。つかず離れず存在感を保っていますが、いかんせん、党内で人望がないのが最大の欠点です」(政治部デスク)
自民党総裁選は全国の党員票も重要だが、決選投票となれば国会議員票が大きくものを言う。数の論理で注目を集めるのが最大派閥・安倍派だ。4月には片山さつき参院議員(64)の加入で100人に達したが、安倍元総理亡き後、会長ポストは空席のままだ。
「没後1年の節目となる7月までに会長を決める予定で、萩生田光一政調会長(59)と西村康稔経済産業相(60)の一騎打ちとなる見込み。他にも候補はいるものの、事実上は森喜朗氏がオーナーで、『俺が、俺が』と出しゃばるわけにはいかないのです。派閥の長になったとしても、森氏の目が黒いうちは好き勝手できませんから」(自民党関係者)
大所帯となった派閥には分裂の噂が絶えず、そこが付け目となっている。
「菅氏が狙っているのは、萩生田氏の懐柔ですよ。もしも彼が派閥を割って出れば、50人は追随するでしょう。そこに菅グループの約30人、さらに冷や飯を食わされている二階派の42人を足せば120人を優に超えます。また、そこに55人を擁する麻生派も加われば、次期総裁選での『岸田おろし』も現実味を帯びてきます。菅氏の懐刀と言われる武田良太氏がパイプ役になって動き回っていますよ」(政治部デスク)
5月19日から3日間にわたって行われる広島サミット。岸田総理には「議長国」の首脳として務めを果たしてもらいたいが、
「岸田総理に外交能力がないことは、菅氏がいちばんわかっている。12年12月の就任から約4年半、官房長官の立場から〝岸田外相〟の働きぶりを見てきたわけで、国際会議に顔を出して安倍元総理に報告するくらいしかできなかったのですから」(自民党関係者)
これが最後の晴れ舞台となるか。
*週刊アサヒ芸能5月25日号掲載